◎はたしてこれは効率を優先した結果なのか?
大岡淳
この芝居のタイトルが『効率の優先』と銘打たれているのは、直接的には、2件の殺人が起きてのち、緊急時の対応を先送りし犯罪を隠蔽してまでも、なお仕事を継続させようとする精神を指しているのだろう。安全対策を先送りにして「安全神話」をふりまくことにばかり専心してきた東京電力に象徴される、日本企業の無責任体質が揶揄されていることは明白である。まずはこの点を評価したい。同じテーマを扱っていても、新国立劇場『効率学のススメ』なる愚作と比べれば、はるかにこちらの方が面白かった。
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