土佐有明
前編では、今年で10年目を迎えるいわき総合高校の演劇教育の軌跡を辿り、濃密な演劇の授業を体験している生徒たちが、必ずしも役者や劇作家を志しているわけではない、という事実を最後に指摘した。卒業後に演劇を続ける生徒はおよそ2割から3割程度。<あくまでも、10代後半の多感な2年間に、学校の授業の一環として演劇に取り組むという特殊な状況が、彼ら/彼女らの演技の特殊な質感と深く相関しているのではないだろうか。>と、最後に締め括った。後編ではこの、演技の“特殊な質感”についてもう少し仔細に検証してみよう。
“演劇教育の先端で何が起きているのか-いわき総合高校の試み(後編)” の続きを読む