ITI/UNESCO日本センター「紛争地域から生まれた演劇シリーズ」

◎視界に入らないものの世界
 林英樹

「動乱と演劇」公演チラシ 2011年12月2日から4日まで東京神楽坂のイワト劇場で、3大陸3戯曲のリーディングとシンポジウム、トークによる「動乱と演劇」が開催された。

 この企画はITI(国際演劇協会)日本センターが制作する「紛争地域から生まれた演劇」のシリーズ3回目となるものである。ユネスコ傘下の国際NGOであるITIは、近年のユネスコの大テーマ「芸術と平和構築」を受ける形で、ITI各国センターが「紛争地域の演劇」をテーマに活発な活動を行っているが、日本センターもこれに呼応する形で本企画を開始したというものである。シリーズ第1回(2009年)は「バルカン半島」、第2回は「中東-パレスチナ・トルコ」を取り上げ、第3回は、それまでの流れを継承しつつ、特定の地域に限定せず、時代とそのときどきの社会体制とが引き起こす軋轢や個人に与える過酷な現実を扱った作品を取り上げることとなった。
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