イヨネスコ「瀕死の王」

◎揺さぶられた芝居観 公演の終わりは、混沌
浜崎未緒

「瀕死の王」公演チラシ劇場に行って、まず公演予定時間の掲示を探してしまう。ほとんど儀式のように近づいて、公演にかかる時間を確認する。2時間を超えているとがっかりだ。途中休憩があれば尚更。いつからか私の身体には、「休憩なしで2時間以内に終わる芝居はいい芝居(短編集やオムニバス公演を除く)」との持論が、染み付いている。2時間という時間の枠にギュウギュウに詰めこまれる方が、主題の際立つ「濃い」お芝居になる。そう、2時間以上かけて「薄い」お芝居をみることが、いちばん嫌いだ。なぜこんな苦痛を味わわなければいけないのか、と悔しい想いをしたことが何回もあった。『瀕死の王』は、休憩なしの2時間15分の予定だが…。

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