佐藤佐吉演劇祭2012

◎劇場の意欲と志が見える 佐藤佐吉演劇祭2012を振り返る(座談会)

 小林重幸(放送エンジニア)+齋藤理一郎(会社員)+都留由子(ワンダーランド)+大泉尚子(ワンダーランド)(発言順)

 王子小劇場が隔年で開催する佐藤佐吉演劇祭は9月で全10公演を終了しました。6月末からほぼ3ヵ月の長丁場。ワンダーランドは演劇祭の全公演をクロスレビューで取り上げました。劇評を書くセミナーで劇場提供の主な公演を取り上げたことはありますが、演劇祭の全演目を取り上げるのは初めての試みでした。その10公演をすべて見て、クロスレビューにも毎回欠かさず参加した4人に、今回の演劇祭の特徴や目立った公演、クロスレビューに参加した感想や意見などを話し合ってもらいました。進行役は、ワンダーランドの北嶋孝です。(編集部)

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時間堂「廃墟」

◎多層的な「行き場のなさ」から生まれる時代の俯瞰
 齋藤理一郎

 2011年3月30日ソワレにて時間堂「廃墟」を観ました。
 戯曲に描かれたキャラクターたちの個々を実直に演じつつ、終戦直後を生きる人々それぞれの「行き場を失った」感覚をしなやかに作り上げた、奥行きとボリューム感を持った舞台に浸潤されました。
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