ワンダーランドについて

年頭のあいさつ(2015年)

 あけましておめでとうございます。

 ワンダーランドは今年12年目を迎えます。2004年のスタートから「舞台の記録を劇評の形で定着させたい」と活動を続けてきました。10年余りの試行錯誤からさらに、「観客が書く」意味があらためて問われたと考えています。今年はその転換点になるかもしれません。

 ワンダーランドに掲載する劇評は、この1月から編集スタッフの寄稿を軸に据えることにしました。健筆を振るってきたメンバーにはこれまで以上に、控えてきたスタッフには気兼ねなく存分に書いてもらいたいと思います。

 昨年はスタッフが毎週交代制で原稿の編集を担当していました。新態勢に移行するに当たって負担軽減を考慮し、編集作業は3月まで北嶋が担当します。4月以降の活動はあらためてお知らせします。もちろん読者、観客の寄稿は大歓迎です。

 2月に入ってから「観客」に着目した短期集中企画を掲載します。10年余りの活動を振り返る連載も始まります。ご期待ください。

2015年元旦

北嶋孝(ワンダーランド代表)

 

編集委員会制に移行します

 ワンダーランドはこの(2013年)10月から編集委員会制に移行します。編集部メンバーが毎週交代でマガジン・ワンダーランドを担当することになりました。各号編集長制と言っていいかもしれません。多彩なメンバーによる多様な寄稿が集うはずです。ご期待ください。
 水牛健太郎編集長は2009年から4年間、重責を担ってマガジンの編集活動に全力投球しました。これから編集顧問として相談役を務めるかたわら、編集メンバーの一員としてマガジン発行の編集現場も担当します。編集活動はこれまでより多少は軽減されるはずです。内外の公演を取り上げる、精力的な劇評執筆活動に比重をおけるよう環境を整えたいと思います。各週担当は次の通りです。

第1週 大泉尚子
第2週 都留由子
第3週 廣澤あずさ
第4週 水牛健太郎
第5週 片山幹生/北嶋孝

2013年10月1日
ワンダーランド代表 北嶋孝

編集長を交代します

マガジン・ワンダーランド第159号、160号で編集長交代をお伝えしました。繰り返しになりますが、あらためてお知らせします。
ワンダーランドを始めてから6年目。そろそろ潮時かな、と思っていました。自分でそんな兆候を自覚したときはすでに、周りは十分すぎるほど気付いているはずです。
そんな折、負荷のかかるポストを引き受けてくれる人が現れるとはなんという僥倖でしょう。恵まれたバトンタッチでした。
といっても始めた活動を放り出すわけではありません。ワンダーランドはこの10月からぼくを含めて三人態勢で再出発しました。このユニットをもう少し前に進めるために、しばらくは舞台裏で汗をかくことになりそうです。
以下、水牛新編集長のあいさつを再掲、大泉編集部・事務局長のことばを紹介します。二人はワンダーランドの執筆者であり支援会員でした。これから徐々に、新しい視点と展開が見えてくると思います。いっそうのご支援、ご協力をお願いいたします。(ワンダーランド代表 北嶋孝)

▽新任のことば 水牛健太郎

このたびワンダーランドの編集長を引き継いだ水牛健太郎と申します。年齢こそ41歳ですが、演劇の世界に関心を持ち始めたのは3年前の2006年、演劇評論を書き始めたのは2007年からですから、ほとんどの執筆者の皆さんよりも演劇におけるキャリアは短く、経験や知識も及ばないと思います。
そんな私がどうして編集長を務めることになったのか。北嶋前編集長から特に説明は受けていませんが、ご存知のように、ワンダーランドはここ数年セミナーなどの企画も多くなっています。そうした中で、北嶋前編集長の負担を軽減するために、私がメルマガの編集・発行という実務を任されたと解釈しています。
ワンダーランドの編集長たるもの、演劇に関して、抜きん出た経験と知識を持ってほしいとお考えの方もあるかもしれませんが、それが編集長の「条件」ならば、私は半永久的に満たすことはないと思います。残念には思いますが、どうしようもありません。演劇のことを知らなかった38年間は紆余曲折あり、それなりに貴重な経験を積むこともできました。結果として演劇に接する機会を持てませんでしたが、そのことを後悔したり反省したりするのも意味がないことです。それよりも、自分が持っているものに目を向けて、今後の与えられた仕事に生かしていきたいと思っています。何卒よろしくお願い申し上げます。
(初出:マガジン・ワンダーランド第160号、2009年10月7日発行)

▽新任のことば 大泉尚子

ワンダーランドとは、昨春、劇評セミナーを受講して以来のお付き合いです。小劇場演劇やダンスを見ること自体、あまり一般的なこととは言い難いうえに、その劇評を書くなどとは、こりゃまた何て酔狂な…と呟きつつ、今日にいたっております。
ワンダーランドの劇評は、研究者の方から素人の一観客のものまで、多岐に渡っています。執筆陣の演劇やダンスに対する考え方も、実にそれぞれ。そして、そうした違いや幅の広さこそが、面白いのではないかと思っています。そういったものの集合体として、舞台を映すさまざまな角度の反射鏡として、この場があり得るのであれば…。そのお手伝いが少しでもできればと考えておりますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
(2009年10月10日)

第2期ワンダーランドを始めるにあたって

暑い日が続きますが、お元気ですか。
ワンダーランドのメールマガジン版が100号を迎えたのが2008年6月末。それから2ヵ月あまり、早めの夏休みを過ごしていました。この間、2004年のスタート時から一緒に活動してきたメンバーと、これからどうするか話し合いました。寄稿していただいた何人かの筆者とも意見交換しました。その結果、第2期ワンダーランドを次の通り始めることにしました。

1.webサイトとメールマガジンの連携ネットメディア活動をこれまで通り続けます。メルマガ版(週刊)の通算第101号は8月20日(水)発行予定です。
2.ロングインタビュー・シリーズを続け、クロスレビューも隔月ペースで継
続します。
3.新規のプロジェクトとして、この間の寄稿を中心に収録した単行本「ワンダーランド小劇場レビュー集2004/08」(仮称)を来年初めに刊行する予定です。以後毎年シリーズ化を検討します。
4.継続的に活動するため支援会員制(年会費一口5000円)を設け、読者・筆者の協力を呼びかけます。募集活動は10月からスタート予定です。
5.「劇評を書くセミナー」活動をさまざまな形で展開し、劇団・劇場のほか、読者・観客との共同作業を継続します。

これまで「ワンダーランド」は当初の執筆メンバーに支えられて活動してきました。第2期は会員制に移行します。そのため任意団体か特定非営利法人(NPO)か、それとも会社形態に移行するかも検討対象になりました。特に年初からにNPOの実情を調べてきました。しかしさまざまな課題があることが分かり、組織的財政的に時期尚早との判断に傾きました。当面、劇団でいう「ユニット」として活動することになります。

上記の作業を進める上でそれぞれのプロジェクトに協力してもらえる会員を募ります。これまで編集・発行を担当してきた北嶋がとりあえず主宰(代表)を務めます。移行に際して具体的にどう変わるかなど、詳細は追ってお知らせします。

先行き不透明の部分が多いのですが、まずはやってみようという衝動がまさりました。いつものことながら、考える前に跳んでしまうのが性癖のようです。これからも辛抱しつつ、お付き合いください。
(2008年8月13日付け「マガジン・ワンダーランド 」第2期準備号より。第101号再掲)

はじめの一歩、おわりの一歩 -週刊「マガジン・ワンダーランド」創刊のことばに代えて

小劇場演劇やダンス、パフォーマンスのレビュー、劇評を掲載するwebサイトwonderland を始めたのが2004年8月でした。それから2年経ち、やっとメール形式のウィークリー・マガジンの発行にこぎ着けました。メルマガとwebサイトの相互連携で、インターネット・マガジンらしい形が出来あがってきたような気がします。

Web版はメンバー制を敷き、各自がいつでも、書きたい劇評を編集サイドを経ることなく直接掲載してきました。筆者の自由を最大限に保証 する緩やかな編集方式です。週刊「マガジン・ワンダーランド」は編集人(編集長)が個人で原稿を依頼する方式をとります。と言っても取り上げる公演は出来 る限り筆者の意向を尊重し、雑誌につきまとう字数制限はありません。必要なだけ書けるスペースを確保します。

各号に劇評が1-2本載り、あとはwebの文章を再掲する予定です。検討中の企画もありますが、追々明らかにしたいと思います。

創刊の狙いはwebサイトと同じく、演劇やダンス、パフォーマンスを通して「いま」を知りたい、感じたいということに尽きます。「いま」が日 本だけに限られず、しかも時間や構造が捻れたり流れが変則的だったり時には逆行したり、さまざまな変容態で存在します。そのアマルガムにできるだけ取り付 いてみたいと考えました。

Web版は従来通りの方式で、各メンバーが自由に劇評を掲載します。ほかに小劇場関連のニュースを載せ、インタビューも予定しています。ただこれまでなかった広告掲載を準備しています。いくらにもならないことは承知していますが、とりあえずやってみるつもりです。

「マガジン・ワンダーランド」は期間限定です。とりあえず週刊で2年間、計100号を目指します。ほとんど個人編集、個人発行になります。気 力と資金が尽きて、そこまでたどり着かないかもしれません。そのときはご容赦を。はじめの一歩が、おわりの一歩。だとしたら、出来るだけ遠くに跳んでみよ うと思います。

「マガジン・ワンダーランド」は、まぐまぐ!とmelma! から無料で配信します。それぞれ規約などを確認の上、手続きしてください。
・登録・解除ページ:http://www.wonderlands.jp/info/subscription/
2006年8月1日
Wonderland 編集長 北嶋孝@ノースアイランド舎

サイトリニューアルに際して -続・劇評サイトWonderland について

(1)
Wonderland サイトは2005年11月1日、サーバーを移行し、サイトデザインを変更しました。2004年8月スタートでしたから1年3カ月ぶりの全面リニューアルです。デザイナーの協力を得て、旧サイトとはひと味違った雰囲気のページになったと思います。
当初は新宿の劇場タイニイアリスのwebサイトを間借りしていました。アリスのみなさまのご厚意に助けられ、ここまで歩んで来られてのだとあらためて感謝します。
アドレス(URL)も新しくなりました。ドメインを探したところ、wonderland はどれもふさがっていて、結局wonderlands.jp に落ち着きました。サイト名はリニューアル前後、一時混乱しましたが、新しいドメイン名ではなく、従来からの名称wonderland を継承します。
使用するweblog ツールもmovable type からnucleus に換えました。ライセンス上の制約が少なくなりましたので、徐々に新しい試みを始めたいと思います。

(2)
9月から常連執筆者はほぼ倍の十余人となり、若い書き手が増えました。特別寄稿とネットレビューの紹介も継続し、当初からの3層構造はそのまま引き継がれます。これからも新しい書き手を求め、ネットの特徴を織り込んだサイトに育つよう努めたいと思います。

(3)
これまで各執筆者のレビューをサイトに直接掲載してきました。今春からいくつか先行して始めましたが、自分のブログへの紹介(リンク)という形式で参加す る方法も導入することになりました。ネットならではの方式ですが、緩やかな参加形態といってよいでしょう。原則的には実名で書いてもらうという方針に変わ りはありません。

(4)
書く内容や掲載のタイミングなどは、ほとんど書き手の自主性に任されています。編集の枠組みはできるだけゆるく、多様な見方が対象公演を多角的に照らし出 せるようにしたいと考えています。ですから複数の書き手の、見方の異なるレビューが載る場合もあります。このサイトに載ったレビューを手がかりに、さまざ まな「見方」「感じ方」「考え方」の筋道を見つけてもらえたら幸いです。従ってレビューの中で、筋書きを明かす場合もあり得ます。特に断りがなくとも、観 劇前に読む方はご注意ください。

(5)
劇評やレビューとは何かという声もときに聞こえますが、答えはそれぞれの筆者によって異なるでしょう。そのときどきの個別具体的な内容で提示するのが回答 になるはずです。その「個別具体」を間に挟んでやりとりを重ねたいと考えています。  「こうすべきだ」などの断定は慎重に、判断には論拠を添えてそれぞれが議論に参加できるような問題提起が望ましいのではないでしょうか。

(6)
このサイトは公演予定や俳優情報を載せるつもりはありませんが、演劇やダンスにより楽しく、より深くアクセスするための企画をいくつか枠外で準備していま す。今年に入ってまず、インタビュー企画を始めました。ほかの媒体ではあまりみられないロングインタビューで、存分に語り尽くしてもらおうというねらいで す。四季折々に掲載したいと考えて始めました。思惑通りには進みませんが、既存のメディアでほとんど取り上げられない演劇関係者にアプローチするつもりで す。

(7)
この劇評サイトを始めてみて、ページ更新はとてつもない時間食いだと分かりました。エネルギーをアリ地獄のように吸い取ります。いろいろ迷いましたが、仕 事の合間を縫って無理せず放り投げず、地道に続けるしかないと腹をくくることにしました。更新が多少途切れても、辛抱してください。懲りずに継続します。

(8)
リニューアルに際して、webデザインとプログラミングに詳しい方に全面的な協力を仰ぎました。今夏webデザイン関係者向けのメールマガジン(注)に エッセーを書く機会がありました。その中でwonderland を紹介し、ボランティアのお願いを末尾に添えたら手を挙げてくれたのです。weblog ツールを乗り換えるにあたり、ぼく1人ではここまで漕ぎ着けられなかったと思います。本当に助かりました。感謝、です。

(注)「日刊デジタルクリエイターズ」(通称「日刊デジクリ」)
Webサイトの新しい編集形態を探る 劇評サイトwonderland の一年(上)
プロセスとしての著作へ 劇評サイトwonderland の一年(下)
2005年11月18日(11.19一部修正)
Wonderland 編集人 北嶋孝@ノースアイランド舎

劇評サイトWonderland について

(1)はじめに
現在進行形の「演劇のいま」を伝えられるサイトができないものかと考えてからかなりの時間がたちました。日本に限っても、各地でさまざまな公演が開か れ、大勢の人たちが客席を埋めて多様な体験を蓄積しています。その一端を報告できるようにと願って、このサイトを始めました。

(2)何が載っているか
このサイトでは、常連執筆者による定点観測のほか、関係者の寄稿を随時掲載します。またweblogなど多くのサイトで日々提供されている劇評をできるだけ取り上げ、紹介したいと思います。
主に小劇場演劇を取り上げますが、こういう境界自体曖昧になってきたのが現在の特徴かもしれません。あまり枠にこだわらず、ダンス、パフォーマンスなどに関する多様な文章も掲載、紹介したいと思います。
取りあげるのは当初、東京近郊で開かれたステージになりますが、各地の演劇状況が分かるようネットワークの形成に努めたいと思います。

(3)「劇評」を探すには
トップページなどの左メニューに検索欄を設けました。知りたい劇団名、公演(演目)などを入れて、検索ボタンを押してください。結果が表示されるはずです。
掲載記事はとりあえず2004年7月からスタートしています。それ以前の記事はほとんどありません。ご了承ください。

(4)「参加」を求めて
各地の表現活動にできる限り紹介の場を提供したいと思います。人気があるなしよりも、「非有名」でも、刺激的なステージをできるだけ紹介したいと考えて います。力のこもった舞台、心が動かされた芝居、優れた作品や演出、演技を紹介したいときは、編集部スタッフに連絡してください。インターネット上で、お もしろい劇評、報告に出会ったときもご一報いただけたら幸いです。編集スタッフが目を通した上で紹介したいと思います。

(5)編集と運用
このWonderland はタイニイアリス劇場Webサイトの好意で、サブドメインをいただいてスタートしました。あらためて感謝します。 基本的には独自の方針で運用、編集しますので、ほかの劇場、舞台などを幅広く取り上げる予定です。
ただボランタリーで運用、編集しているので、公演期間中に記事が載らない場合も多く、内容面で目が行き届かない点も少なくないと思います。しばらくはご容赦ください。不都合は具体的にご指摘ください。

(6)記事への意見、リンクなど
掲載された文章や写真、画像などの著作権は、著作者、創作者に帰属します。原則としてリンクは自由ですが、その際は著作物の権利を尊重するような方法でお願いします。
常連執筆者の記事に関する意見は、その記事のコメント欄に書き込んでください。執筆者も目を通すことになっています。紹介記事は、リンク先ページの指示になります。

2004年7月末日
サイト編集人 北嶋孝@ノースランド舎

(注) スタートして半年後のまとめ「劇評(レビュー)サイトを始めてみたら」(特別企画「振り返る 私の2004」第6回)が掲載されています。ご参照ください。 (2005.6.15)