◎現実への欲望、虚構への欲望
武藤大祐(ダンス批評)
「映画とはすべてドキュメンタリーである」(黒沢清)。なぜならあらゆる映像は、カメラの前で実際に起きた出来事を写し取ったものにすぎないからだ。これにならえば、舞台上の出来事はすべて現実である。そしてもし虚構が発生するなら、そこには観客の側の想像力が関与している。
小劇場レビューマガジン
◎現実への欲望、虚構への欲望 武藤大祐(ダンス批評) 「映画とはすべてドキュメンタリーである」(黒沢清)。なぜならあらゆる映像は、カメラの前で実際に起きた出来事を写し取ったものにすぎないからだ。これにならえば、舞台上の … “東野祥子「VACUUM ZONE」” の続きを読む
◎現実への欲望、虚構への欲望
武藤大祐(ダンス批評)
「映画とはすべてドキュメンタリーである」(黒沢清)。なぜならあらゆる映像は、カメラの前で実際に起きた出来事を写し取ったものにすぎないからだ。これにならえば、舞台上の出来事はすべて現実である。そしてもし虚構が発生するなら、そこには観客の側の想像力が関与している。
◎わたしにも夢がある 因幡屋きよ子(劇評かわら版「因幡屋通信」主宰) 劇作家・演出家の瀬戸山美咲が主宰するミナモザの舞台を初めてみたのは、二〇〇五年夏上演の『デコレイティッド・カッター』である。瀬戸山は一九七七年生ま … “ミナモザ「八月のバス停の悪魔」” の続きを読む
◎わたしにも夢がある
因幡屋きよ子(劇評かわら版「因幡屋通信」主宰)
劇作家・演出家の瀬戸山美咲が主宰するミナモザの舞台を初めてみたのは、二〇〇五年夏上演の『デコレイティッド・カッター』である。瀬戸山は一九七七年生まれ。二〇〇一年にミナモザを結成し、これまでに九回の公演を行っている。
◎手に負えない、もっと大きなものと格闘を
岡野宏文(ライター&エディター)
超科学と呼ばれる一連のものごとが好きなんである。
心霊、オーパーツ、超能力、UFO、古代文明は宇宙人が作った説、火星の人面岩、スカイフィッシュ、ミステリーサークル、などなどしこたま。信じているのではない。信じているならむしろ、つぎはぎだらけであるにしろ科学の冷静さの方に軍配があがる。
◎図らずも裏切る強度と悪意を 「町づくり」参加アーチストに望む
水牛健太郎(評論家)
電車の通路に、5人の人物がほぼ等間隔で立っている。電車が東急蒲田駅を出るや、5人は、揺れるような緩い動きをはじめる。体をねじったり、手を振ったりする。やがて、ある一人の動きが、隣の人に連動しているのが分かってくる。しかしそれは、連動しているかのような、していないかのような伝わり方だ。時には一人間を置いて連動したり、まったく連動しなかったりもする。緩やかな関係性。遊び続ける体。電車は矢口渡、武蔵新田、下丸子、と進んでいく。駅に停車すると、窓から見えるホームでは、親子連れやカップルが不思議そうな顔で見ている。しかし、扉は開かないので、彼らの世界とこちらの世界は通じ合うことがない。
“多摩川アートラインプロジエクト実行委員会「多摩川劇場」” の続きを読む
◎今、「三人姉妹」をどうするか? その傾向と対策 高木龍尋 ごまのはえが『三人姉妹』をやる……正直なところ戸惑う。ごまのはえといえばニットキャップシアターの主宰であり、作・演出をする毛深い髭面のずんぐりむっくり(失礼 … “ぶんげいマスターピース工房「三人姉妹」” の続きを読む
◎今、「三人姉妹」をどうするか? その傾向と対策
高木龍尋
ごまのはえが『三人姉妹』をやる……正直なところ戸惑う。ごまのはえといえばニットキャップシアターの主宰であり、作・演出をする毛深い髭面のずんぐりむっくり(失礼しました)である。その容姿を逆手にとって(?)、女装しドレスを着て胸元から地毛をわっさりと出して観客にある意味の嫌がらせ(重ねて失礼しました)をする男である。そんなニットキャップシアターの作品を観ていると、チェーホフがどうなるのだろう、どうなってしまうのだろう、といささか心配になってくる。しかし、今回は〈ぶんげいマスターピース工房〉という企画、昨年あったチェーホフの短編戯曲の競演で最優秀となったことで、今回の『三人姉妹』上演の運びとなったという。要は、『三人姉妹』をごまのはえがどうごまのはえ風にするかということである。
◎爽快に描く6組の恋愛ドラマ 3段5分割舞台を有機的に組み合わせ
香取英敏
トレンディ・ドラマシリーズ第2弾三部作の第2話というので、「いまどき?」と少々不安になりながら見に行った。フライヤーは情緒過剰だし、うむむと思っていたが、信頼すべき筋から、良かったのことばを聞いたので、でかけていった。行ってよかったというのが、感想。見逃さないでよかった。
観劇後に爽快感を得た、実に良いできだった。
◎私の人間関係の糸を舐める 田口アヤコ(演劇ユニットCOLLOL主宰) 青年団『東京ノート』公演を、パリ・ジュヌビリエ国立演劇センターにて観る。なぜわざわざ旅に出かけた先で、東京でも観ることが可能な日本語の演目を観る … “青年団「東京ノート」(パリ公演)” の続きを読む
◎私の人間関係の糸を舐める
田口アヤコ(演劇ユニットCOLLOL主宰)
青年団『東京ノート』公演を、パリ・ジュヌビリエ国立演劇センターにて観る。なぜわざわざ旅に出かけた先で、東京でも観ることが可能な日本語の演目を観るのかとも考えたが、結果としては、とても面白い体験だった。