◎犬吠埼灯台の霧笛舎と共演 6月に東京公演も
カトリヒデトシ
太古の恐竜の咆哮がカマボコ型の天井に跳ね返り、楼内に響く。その力、その哀切にこちらの琴線がかき鳴らされる。
音響的に「返し」がどうとか全く関係ない。すばらしい残響とは無縁でもその生の声による余韻こそ、今、ここでしか見られない演劇の醍醐味を確かに体感させてくれる。
小劇場レビューマガジン
◎犬吠埼灯台の霧笛舎と共演 6月に東京公演も
カトリヒデトシ
太古の恐竜の咆哮がカマボコ型の天井に跳ね返り、楼内に響く。その力、その哀切にこちらの琴線がかき鳴らされる。
音響的に「返し」がどうとか全く関係ない。すばらしい残響とは無縁でもその生の声による余韻こそ、今、ここでしか見られない演劇の醍醐味を確かに体感させてくれる。
◎寒さと孤独、そして「ヨブ記」
鼎談(芦沢みどり、田口アヤコ、北嶋孝)
芦沢 今回のCOLLOLの公演『このままでそのままであのままでかみさま』について、最初に編集部からいただいたのは劇評を書かないかと言う話だったんですが、今回の作品は非常に色々な要素があるので、一人で書くよりは、鼎談にした方がいいと思ったんです。鼎談というより、私と北嶋さんが田口さんに質問する場になってしまうかと思うのですが。まずは会場のBankART Studio NYKですが、3月28日の夜、本当に寒くて使い捨てカイロを渡されて。その印象が強い。だだっぴろい横長の倉庫ですね。それでまずお聞きしたいのは、場所が先にあって、それに合わせて作品を作ったのか、それとも作品が先なんでしょうか。
1979年の初演以来、ロングランを続けた「上海バンスキング」復活公演が放映されます。昭和初期の上海を舞台にしたジャズマン達の物語は、役者たちの生演奏でも話題を呼びました。今年2~3月に行われたこの復活公演では、元オンシ … “テレビで見る演劇(~6月末)” の続きを読む
1979年の初演以来、ロングランを続けた「上海バンスキング」復活公演が放映されます。昭和初期の上海を舞台にしたジャズマン達の物語は、役者たちの生演奏でも話題を呼びました。今年2~3月に行われたこの復活公演では、元オンシアター自由劇場の面々が再結集しています。「富士見町アパートメント」は、4人の作家が書き下した4作品の連続公演。いずれもアパートの一室という設定で、同じ舞台装置が使われています。6月11日と18日の2日間、2作品ずつの舞台中継です。井の頭公園内の原っぱで上演された「行商人ネモ」では、唐組の芝居がテレビの画面にどう映るかも、興味を惹かれるところではないでしょうか。
(場合により、番組内容、放送日時などが変更になることがあります。また、地上波デジタル放送の番組表は関東地区のもので、地域により一部番組が異なります)
◎《演劇LOVE》の照らし出す未来
プルサーマル・フジコ
前回、ワンダーランドに寄稿した文章(*1)は未来の誰かに宛てて書いたのだけどそれは或る制作者Nさんが「僕は、20年後の未来に向けて作ってますね」と力強く小田急線の下北沢駅の改札入ってすぐのとこで語ってくれたのがズシンと胸に刺さったからで、それ以来「未来」とゆー言葉が凄く具体的なイメージを持ってしまって浮かんで消えない。
◎ステキにもつれた劇世界 虚無の風、ひやりと背中を
岡野宏文
親というのはほんとうによく分からない。子育てにビジョンがないのである。
人様に迷惑さえかけなければどんな人間になってもいいからねなどと喋った舌の先すら乾かぬうちに「医者になれ」などと抜かすから油断が出来ない。なれるのか今さら、医者に、オレが。だいたい、なりたくともなれないのが医者という職業の世の常であるのは十二分に承知の上で、かかる矛盾した見解を涼しい顔で言ってのけるのは、そもいかなる神経のなす技であることか。
◎人心の機微に迫り、表現の幅広げる
今井 克佳
4月というのにひどく寒く、雪の散らついた晩に、劇団印象「匂衣(におい)」の初日を観にいった。
下北沢のスズナリのすぐ隣に、ミニシアター(映画)用のスペースがあって、それがシアター711である。50席くらいか。とても小さな空間だ。ありがたいのは椅子がふかふかなこと。映画用のスペースならではである。ただ、床の傾斜はゆるいので、後ろの席に座ってしまったらそれほど見やすいわけでもなかったのだが。
講談社の第53回群像新人文学賞評論部門の優秀作に、人形劇を中心に演劇評論を続ける飯塚数人さんが選ばれた。受賞作は「福田恒存VS武智鉄二-西洋か伝統か、それが問題だ!」。現在発売中の「群像」六月号に掲載されている。
◎ロマンティストとしての柴幸男
藤原央登
『わが星』『スイングバイ』と、柴幸男が紡ぎ出した2つの劇世界に触れた私が抱いたのは、この人は壮大なロマンティストなのではないかということである。
27歳という若さで岸田國士戯曲賞を受賞したことにより、過大な評価を背負って今後の演劇活動を続けねばならないだろうということは容易に想像がつく。表象された劇世界を一見すれば分かるように、ラップ音楽の取り入れと、そこから派生するループやサンプリングを発語や場転にも利用し、リズムを湧出させる演劇手法は発明だといえる。今回の受賞は、こういった方式が演劇の基本構造を転換させ、新たな段階へと舞台芸術を進めるのではないか、という願望が込められたものでもあろう。もちろん、単なる目新しさで終わる可能性もある。その目新しさに、一時的に目が眩んだだけだったという様に。
アイスランドの火山噴火、文字どおり「対岸の火事」だなあと気に留めていなかったのですが、その影響で【レクチャー三昧】カレンダー版に載せていた講演が延期になっていたものがあるのに気づきぎょっと致しました。【レクチャー三昧】 … “【レクチャー三昧】アイスランド火山噴火” の続きを読む
アイスランドの火山噴火、文字どおり「対岸の火事」だなあと気に留めていなかったのですが、その影響で【レクチャー三昧】カレンダー版に載せていた講演が延期になっていたものがあるのに気づきぎょっと致しました。【レクチャー三昧】では各情報源のURLを必ず表示しております。読者の皆様には、お出かけの前にご確認下さるようお願い申し上げます。 (高橋楓)