◎「春琴」とサイモン・マクバーニーの「旅」
今井克佳
「春琴」の旅が終わる。「最終ツアー」だそうである。2008年2月の東京初演、翌2009年初頭のロンドン公演、そして2010年暮れの東京公演(この年はツアーでロンドン、パリ、台北公演も行われた。)を見てきて、初演とロンドン再演についてはこの「ワンダーランド」にレポートを掲載した。
その「春琴」が今夏、ニューヨーク、神戸、東京、シンガポール、そしてミシガン州アナーバーとロサンジェルスを回り、幕を閉じるのだそうだ。最終公演のロサンジェルスは9月末ということでこの文章が掲載される頃、「春琴」は最終地で上演されていることになる。私としては、舞台としての「春琴」は2010年の再々演版でほぼ完成された感があり、今夏の東京上演は確認のため、という程度で足を運んだが、いざ一度見るとついつい引き込まれて、立ち見当日券でもう一度見てしまった。
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