◎小劇場演劇としての可能性垣間見せる
中西理
維新派の新作「ろじ式」(松本雄吉作・演出)を大阪・難波の精華小劇場で見た。維新派はこのところ野外ないし大劇場の空間で「<彼>と旅をする20世紀3部作」と題して、「nostalgia #1」(2007、大阪・ウルトラマーケット、さいたま芸術劇場)、「呼吸機械 #2」(2008、長浜市さいかち浜野外特設舞台)を連続上演してきた。それは南米や東欧の動乱の歴史を取り上げ、20世紀という壮大な時間の流れをモチーフに物語性を強く打ち出したものであった。今回の「ろじ式」は本公演とは位置づけられてはいるものの、その続きというわけではない。