日本劇作家協会の第15回新人戯曲賞の公開審査会が12月13日(日)東京杉並区の座・高円寺で開かれ、大阪府の横山拓也さん(32)の「エダニク」が受賞作品に選ばれた。
「エダニク」は東京近県の屠場を舞台に、2人の労働者と農場の御曹司のやりとりを通じ、動物の命を奪い食料とすることの意味を問うた作品。
審査会では、司会の川村毅さんほか6人の劇作家が5本の最終候補作品を審査。
審査会開始直後、マキノノゾミさんが「エダニク」に「100点満点」と熱烈な支持を表明し、第1回投票(1人2作品に投票)で7人中5人が支持。4回目の最終候補となった吉田小夏さんの「雨と猫といくつかの嘘」も渡辺えりさんらの支持を受け、逆転の可能性もあるやに見えたが、第2回投票(1人1作品に投票)で「エダニク」が過半数の4票を集め、受賞作品となった。
横山拓也さん(写真左)は大阪芸大在学中に演劇を始め、現在大阪で劇団「売込隊ビーム」の作・演出として活動している。「エダニク」は横山さんが別のユニットのために書き下ろし、今年2月に初演され、好評を集めたという。横山さんは「熱量の多い労働の現場を描こうとした作品です。差別問題なども関わっていますが、必ずしも社会問題ではなく、エンターテインメントとしても成立させたいと思い、バランスに苦心しました。今回このようなすばらしい賞をいただき、大変うれしいです」と話していた。