◎イヨネスコの不条理劇はどう料理されたか?(上)
芦沢みどり
イヨネスコの『授業』を10団体が連続上演するという催しが、ゴールデンウィークとそれに続く1週間、神楽坂die pratzeであった。「如何に『授業』を料理するか?」という香辛料を利かせたサブタイトル付きのフェスティバルは、2団体を一組にして、それぞれ4回(組によっては2回)『授業』を上演するというメニュー。学校の時間割ふうの公演チラシの表現だと、最初のひと組が01・02限目で4月27日から29日まで。そのあと一日空けて、つまり休み時間があって、次が03・04限目。これが順次繰り返され、最終組の09・10限目は5月11日から13日にあった。このスケジュールは観客にとってもゴールデンウィークに他の予定を入れ易く、結果、筆者は全公演を観てしまった。もっともそれはタイムテーブルのせいばかりではない。10団体のどれもこちらの不勉強で初めて観る団体だったのだが(4団体は地方からの参加、と言いわけしておこう)、ネットで事前に予備知識をインプットする時間の余裕もなく(と、また言いわけ)、いわばまっさらな状態で舞台と向き合うことになったのが、とても新鮮に思えたということもある。
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