年末回顧「振り返る 私の2010」まとまる

 小劇場公演の「記憶に残る3本」を挙げ、短いコメントを併記する恒例の年末回顧企画「振り返る 私の2010」がやっとまとまりました。もうすぐ新年ですが、なんとか駆け込みでページを作成しました。チラシ画像などは追々掲載します。47人の「3本」とコメントをたどると、2010年の輪郭が否応なく浮かんできます。それはまた、2011年の方向も指し示していように思えます。まずはざっと目を通してください。(編集部)
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3人で語る「来月はコレがお薦め!」を振り返って(最終回)

 カトリヒデトシ+鈴木励滋+徳永京子

―このコーナーでは、みなさんに、三人三様の見方で、翌月の舞台を各3本ずつ薦めていただきました。残念ではありますが、これをもって最終回とさせていただきたいと思います。1年間、どうも有難うございました。今回は、この1年を振り返り、お薦め作品が実際に上演されてどんな感想をもたれたかなどを中心にお聞かせください。

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テレビで見る演劇(~2011年1月末)

 2009年に惜しくも68歳で亡くなったピナ・バウシュのヴッパタール舞踊団が、2010年6月に来日しました。そのときの公演「私と踊って」が新年の1月14日に放映されます。主人公を演じているダンサーとヴッパタール舞踊団芸術監督のインタビューが、同時放映されるのも注目です。同じ14日、放送時間もやや重なっていますが、キャラメルボックス「きみがいた時間 ぼくのいく時間」も見ることができます。毎回若い女性で満員になる劇団の公演です。わざわざ劇場にまで行ったことはなかったなあという方、この機会にご覧になるのも一興ではないでしょうか。
 目新しいところで、28日深夜には福岡の“かぶりもの劇団” ギンギラ太陽‘sの「遊園地3兄弟の大冒険 ~泣かない、負けない、くじけない~」が放映されます。地方を拠点にする劇団の公演を見られるのは、テレビのありがたさかもしれません。
(場合により、番組内容、放送日時などが変更になることがあります。また、地上波デジタル放送の番組表は関東地区のもので、地域により一部番組が異なります)

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年末回顧アンケート「振り返る 私の2010」を募集!

 ワンダーランド恒例の年末回顧アンケート企画「振り返る 私の2010」を実施する運びとなりました。ご協力いただけたら幸いです。詳細は以下の通りです。
▽今年の3本=今年みた公演のうち、「記憶に残る3本」を挙げてください。基本的には小劇場の芝居やダンス、パフォーマンスを対象にします。枠を広げるようでしたらコメントに付記してください。
▽年間観劇本数=12月の予定を加えて概数で結構です。
▽コメント=300字(3本合計300字です)選んだ理由、漏れた公演、そのほか今年の特徴や新しい流れなどコメント内容は自由です。
▽名前(原則として本名)、肩書き、サイト=個人ブログがあればサイト名とURL
▽締め切り:12月25日(土)
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維新派「台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき」

◎小さい人 途方もない世界
 岡野宏文

「台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき」公演チラシ 維新派の舞台の最大の特徴は、人がみんな「小さい」ということである。三、四十人も登場する人物たちが、その数の多さを裏切るように、みなあまりにも小さい。白塗りの少年たちがいくら喜びの中を疾走しても、スーツに身を包んだ若者たちがいくら粛々と歩もうと、その小ささは圧倒的だ。

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初日レビュー第8回 ブルドッキングヘッドロック「嫌な世界」

 ブルドッキングヘッドロックは2000年4月に旗揚げから10年。「グロテスクな日常に、ささやかなおかしみを」醸し出す作品を生み出し続けてきました。10周年記念公演第3弾は「嫌な世界」(サンモールスタジオ、2010年12月17日-31日)。どんな舞台だったのでしょうか。五つ星の評価と400字レビューをご覧ください。掲載は到着順。(編集部)

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劇団唐ゼミ☆「下谷万年町物語」

◎夢のようにリアルな
 清末浩平

「下谷万年町物語」公演チラシ 唐十郎の戯曲『下谷万年町物語』は、1980年に執筆され、翌1981年、蜷川幸雄の演出によりPARCO西武劇場で初演された。少なくない数のメイン・キャストのほかに100人もの男娼(オカマ)も登場し、大掛かりな舞台転換もあるこの劇は、初演以降長らく再演不可能といわれていたらしい。唐十郎の監修のもとに唐の過去作品を上演する劇団唐ゼミ☆は、2009年、劇団外部からの客演を多数募り(この劇団には珍しいことだ)、舞台美術や演出効果の面でも大規模なスペクタクル性を前面に押し出しつつ、この戯曲を再び上演してみせた。そして2010年、同劇団は座組みを劇団員中心のメンバーに絞り、規模の大きさより内容の密度を重視する方針を採用して、『下谷万年町物語』をゼロから作り直したのだが、本稿が論じるのはこの2010年11月の劇団唐ゼミ☆による上演である。
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F/T10の劇評コンペ 優秀賞は3人

 フェスティバル/トーキョー(F/T10)主催の劇評コンペ 優秀賞が12月14日、発表された。
 受賞したのは3人(3作品)で、
▽マレビトの会「HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会アーカイブ」(松田正隆・演出)を取り上げた江口正登さんの『なぜ彼/女らが行うのは報告ではなくその表象なのか――「晒される」ものとしての俳優達』、
▽ポストドラマ演劇作品で知られるスイスの演出家クリストフ・マルターラーらの『巨大なるブッツバッハ村―ある永続のコロニー』を論じた百田知弘さんの『ブッツバッハ村、あるいは現代のポチョムキン村』、
▽森川泰彦さんの『虚穴と反転 ―飴屋法水『わたしのすがた』評』 。

 受賞者の3人は、次回フェスティバル/ トーキョー11(2011年9月-11月)の全演目に招待される。審査委員の全体講評文も掲載予定だが、15日現在まだ公表されていない。
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第3回小田島雄志・翻訳戯曲賞が決まる

 優れた戯曲翻訳者に与えられる第3回小田島雄志・翻訳戯曲賞が12月14日(火)公表され、平川大作訳「モジョ・ミキボー」(オーウェン・マカファーティ作)と、小川絵梨子訳「今は亡きヘンリー・モス」(サム・シェパード作)が受賞した。
 同賞は海外戯曲の翻訳や演劇評論で知られる小田島さん自身が2008年から毎年、優れた若手、新人の翻訳戯曲・翻訳者を選考。10年間をめどに設けた。賞金は10万円。贈呈式と祝賀会は2011年1月17日、東京・池袋のあうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)で開かれる。
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新人戯曲賞に平塚直隆さんと 鹿目由紀さん

劇作家協会新人戯曲賞チラシ 日本劇作家協会主催の第16回 劇作家協会新人戯曲賞の公開審査会が12月12日(日)、東京都杉並区の座・高円寺で開かれ、平塚直隆さんの「トラックメロウ 」と 鹿目由紀(かのめ ゆき)さんの「ここまでがユートピア」の2作品が受賞した。賞金は各25万円。1996年から続いている同賞で、同時受賞は初めて。

 平塚さんの「トラックメロウ 」は、バスツアーの一行が事故で立ち往生。女性運転のトラックが通りかかってから物語が急展開していく話。添乗員、運転手、客らの軽妙な遣り取りが不条理な笑いを起こすなどと評価された。 鹿目さんの「ここまでがユートピア」は、国のユートピア建国政策の下、ある島に送り込まれた若者たちが半径75センチの「王国」を作って暮らす話。鋭い着想と、身体性とスピード感を兼ね備えたセリフを評価する見解が多かった。
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