フェスティバル/トーキョー(F/T10)主催の劇評コンペ 優秀賞が12月14日、発表された。
受賞したのは3人(3作品)で、
▽マレビトの会「HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会アーカイブ」(松田正隆・演出)を取り上げた江口正登さんの『なぜ彼/女らが行うのは報告ではなくその表象なのか――「晒される」ものとしての俳優達』、
▽ポストドラマ演劇作品で知られるスイスの演出家クリストフ・マルターラーらの『巨大なるブッツバッハ村―ある永続のコロニー』を論じた百田知弘さんの『ブッツバッハ村、あるいは現代のポチョムキン村』、
▽森川泰彦さんの『虚穴と反転 ―飴屋法水『わたしのすがた』評』 。
受賞者の3人は、次回フェスティバル/ トーキョー11(2011年9月-11月)の全演目に招待される。審査委員の全体講評文も掲載予定だが、15日現在まだ公表されていない。
江口正登さんは1978年福岡県北九州市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程、日本学術振興会特別研究員。専攻はパフォーマンス研究、メディア論、表象文化論。2003-04年にかけては岡田利規主宰の演劇カンパニー「チェルフィッチュ」に俳優として参加していた。
百田知弘さんは1976年生まれ。東京大学教養学部地域文化研究科を卒業後、毎日新聞社東京本社に入社(校閲記者)。観劇は趣味として続けているという。
森川泰彦さんはSPAC、F/T09などの劇評を発表してきた。
F/T主催の劇評コンペは昨年に続いて2回目。今回は、劇評の対象となったF/T主催演目およびF/T公募プログラムのほか、F/T10のプログラム全体に対する「フェスティバル評」も募集した。応募は21本(昨年のF/T09は32本)だった。
▽審査委員は次の通り。
内野儀(演劇評論家 / 東京大学教授)
鴻英良(演劇評論家)
福嶋亮大(批評家)
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