サンプル「カロリーの消費」

◎消化されるのを拒む他者性という困難
中村昇司(編集者)

「カロリーの消費」公演チラシ観劇を終えて最初の感慨は、めんどうな作品を観てしまった、というものであった。
それはこの作品が、容易に理解・消化されることを拒む異物として、記憶にどっかり居座り続けるであろうものだからだ。人を、考えること、という不安定な世界へ誘うもの、そんな記憶として未消化のまま生きる、そういう作品だろう。

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COLLOL「きみをあらいながせ~宮澤賢治作「銀河鉄道の夜」より」

◎主題と変奏のシフトで複数化された物語
中村昇司(雑誌編集者)

COLLOL「きみをあらいながせ」公演チラシきみをあらいながせ。
そのタイトルを聞いて、おかしな言葉だな、と思った。主体と客体がねじれているような違和感がある。きみをあらいながす、のであれば丸く収まったのだが、ここには「きみ」をあらいながすべき「私」(あるいは「きみ」)以外に、もうひとり私にそれを促す私がいる。「きみ‐私1」の関係から「私1‐私2」に、途中で主客がシフトしている。独白か、対話かも知れない、ちょうど曇った鏡に言葉を掛けるような彼此の不確かさをもつ、あやうい言葉だ。

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