◎南北原作の魅力引き出す
中西理
フェスティバル/トーキョー2013(F/T13)で私が個人的にもっとも期待していた舞台が木ノ下歌舞伎「東海道四谷怪談−通し上演−」だった。今春東京に引っ越したが、それ以前に住んでいた関西でここ数年、もっとも注目している若手劇団が木ノ下歌舞伎だからだ。昨年は東京デスロックの多田淳之介を総合演出に迎え「義経千本桜」の通し上演を行った。私はそれをwonderlandの年末回顧でベスト1に選んだが、この「四谷怪談」もそれとは方向性の異なる公演ながらも、匹敵する水準の好舞台だった。ポストゼロ年代の若手劇団でトップランナーの一角を占めていることを改めて示したといえよう。
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