電視游戲科学館「勇魚―ISANA―」

◎贅沢な序章 (高木龍尋)

 タイトルから水にかかわる物語であろうと予想はしながら、劇場への案内を見ると、元は造船所であったと書かれている。行ってみると、煤けた建物にはまだ造船会社の古びた看板が掲げられていて、喫煙所からは進水場であろうか、海へと何本かの突堤が伸びていた。折りしも夕刻、水面から魚が跳ねたり、運河のような海を隔てた向こうにまだ操業中の工場がありその煙突から煙がのぼったり、と、いかにも雰囲気のあるロケーションであった。

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77年企画(ごまのはえ×竹内佑×山口茜)「マリコの悪縁教室」

 ◎「執拗なヘビ年」(高木龍尋)

 1977年生まれの小劇場演劇人が集まって芝居をする……どうなるのか? かく言う私も1977年生まれである。
 作品について言う前に、少しばかり1977年生まれの思いというか、愚痴を申しあげたい。1977(昭和52)年に生まれたのは大変ビミョーなことである。一見、ラッキー7のゾロ目、おめでたいようでありながら、これがちっともおめでたくない。第二次ベビーブームから少し遅れ、ドラえもん放送開始より一年先んじて、五輪やW杯もなく、閏年でもなかった年に生まれたことの最大のビミョーさは、旧カリキュラム最後の学年、ということであった。

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燐光群「上演されなかった『三人姉妹』」

 燐光群公演「上演されなかった『三人姉妹』」(作・演出 坂手洋二)の東京公演(7月6日-17日)と関西公演(7月21日-22日)が終わりました。チェホフの「三人姉妹」と、血なまぐさい終結を迎えたモスクワ劇場占拠事件を掛け合わせたような、坂手+燐光群ならではの独特の舞台だったと言われています。大阪芸術大大学院博士課程(文芸学)在学中の高木龍尋さんから、関西公演のレビューをいただきました。結語の切れ味をご賞味ください。以下全文です。

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