◎連続上演企画にかける劇団の気概と思い入れ
後藤隆基
ある演劇人の名前がアチラコチラで目につく年がある。その意味で2008年は、じつにマキノノゾミの一年だった、といっても過言ではないだろう。
年の瀬の常と顧みれば、まず4月に沢田研二の音楽劇シリーズ「ぼんち」(わかぎゑふ作)を演出。8月にはM.O.P.に新作「阿片と拳銃」を書き下ろし、同時に劇団を2011年をもって解散する〈ファイナル・カウントダウン〉を発表した。が、当の本人たちはいたって力の抜けた気構えぬ発言を各誌に寄せており、この劇団をよくあらわしているようにみえた。