◎ネタ・シアターの限界と、戯曲の寿命(第1回)
堤広志
●「ひょっとこ乱舞」は、常に“気がかり”な劇団だった
ひょっとこ乱舞という劇団は、私にとって常に“気がかり”な存在だった。
“気がかり”というのは、他の多くの若手小劇団に対して抱くような“心配”とはまた別種の懸念といっていいかもしれない。実際、小劇場演劇に接していると、将来を期待したくなるような才能が感じられず、突出した舞台成果も見受けられないために、「この人たちはこんなことをしていて大丈夫なのだろうか!?」「もっとこうした方が良いのではないだろうか?」といった老婆心が湧き起こることが往々にしてある。
その一方で、このままそうした人たちの活動にオブザーバーとして付き合いながらも、無為に自分の人生の貴重な時間を浪費するような生活を送っていて、はたして割に合うのか、無駄なのではないかと思わされることも少なくない。
“ひょっとこ乱舞「うれしい悲鳴」” の続きを読む