こまつ座『兄おとうと』

◎「唄芝居」の愉しさ  『兄おとうと』は、今やこまつ座のお家芸となった「唄芝居」の真骨頂である。「吉野作造の評伝劇」というと何だか堅苦しそうだし、「憲法をわかりやすく考える」などと云われたらヤッパリイイデスと腰が引けてし … “こまつ座『兄おとうと』” の続きを読む

◎「唄芝居」の愉しさ

 『兄おとうと』は、今やこまつ座のお家芸となった「唄芝居」の真骨頂である。「吉野作造の評伝劇」というと何だか堅苦しそうだし、「憲法をわかりやすく考える」などと云われたらヤッパリイイデスと腰が引けてしまいそうだが、そうした主題を愉しく伝えるのが、一つ「唄」の効用である。そして、いかな偉人も「人びと」の一人であるというユーモア感覚が、学者と役人の、国家や憲法をめぐる議論を、「人びと」の暮しにまで降ろしてくれる。初演と変らぬ、辻萬長・剣幸・大鷹明良・神野三鈴・小嶋尚樹・宮地雅子という練達の俳優六人を擁し、戯曲の持つ明るさや軽演劇調の笑いを、鵜山仁がたっぷり懐の深い演出で包みこむ。戯曲と俳優、演出家、そしてスタッフの幸福な出会いが結晶したアンサンブルは、作品ごとにプロデュース・システムをとるこまつ座でも出色の座組みである。

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庭劇団ペニノ「ダークマスター」

庭劇団ペニノ「ダークマスター」公演は不思議な芝居でした。物語に起承転結はあるのですが、それが大事かというと、どうもそうではなさそうです。オブジェというか、大がかりな舞台セットが圧倒的な存在感で迫る芝居。ほとんどそれに尽きるようなお話だったといえばいいのではないでしょうか。ただ、その先が問題ではありますが。

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くろいぬパレード「ヤモリ」

家族って何なんだろう。 血の繋がりって何なんだろう。 めまぐるしい日々の中で私は どれだけのことを見落としているんだろう。 色々なことを考えさせられた作品でした。 以下「あじさいがごとく」をご覧ください。

家族って何なんだろう。
血の繋がりって何なんだろう。
めまぐるしい日々の中で私は
どれだけのことを見落としているんだろう。

色々なことを考えさせられた作品でした。
以下「あじさいがごとく」をご覧ください。

中野成樹インタビュー

インタビューランド第4回 「根っこはないけど大切にしたいものはある-『誤意訳版』翻訳劇の源」を掲載しました。
「中野成樹(POOL-5)+フランケンズ」の中野さんは、昨年岸田國士戯曲賞を受賞したチェルフィッチュの岡田利規さんらと共に、横浜STスポットの契約アーティストとして知られ、「誤意訳」と銘打って翻訳劇に取り組む異色の演出家です。東京国際芸術祭「アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズ・ドラマリーディング」で『セックスハビッツ・オブ・アメリカンウィメン』」(2月11日-12日)の演出を担当。今年の活躍が期待される1人です。いまなぜ翻訳劇か、誤意訳とは何か、演劇のおもしろさに迫るインタビューをご一読ください。聞き手はwonderland執筆者でもある柳沢望さんです。

「サムワン」

相変わらず遅筆でごめんなさい。 俳優座劇場での公演を見てきました。 海外作品の舞台は二度目ですが、 今回も大当たりとはいきませんでした。 「おはしょり稽古」より

相変わらず遅筆でごめんなさい。
俳優座劇場での公演を見てきました。
海外作品の舞台は二度目ですが、
今回も大当たりとはいきませんでした。

「おはしょり稽古」より

岸田戯曲賞に佃典彦「ぬけがら」と三浦大輔「愛の渦」

 第50回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の選考が1月23日行われ、佃典彦「ぬけがら」と三浦大輔「愛の渦」の2作が同時受賞しました。授賞式は4月4日(火)午後6時から東京神楽坂・日本出版クラブ会館(鳳凰の間)で開かれます。 … “岸田戯曲賞に佃典彦「ぬけがら」と三浦大輔「愛の渦」” の続きを読む

 第50回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の選考が1月23日行われ、佃典彦「ぬけがら」と三浦大輔「愛の渦」の2作が同時受賞しました。授賞式は4月4日(火)午後6時から東京神楽坂・日本出版クラブ会館(鳳凰の間)で開かれます。
 佃さんは劇団B級遊撃隊を主宰し、名古屋を拠点に活動。三浦さんはポツドール主宰。このところ舞台が相次いで話題になっていただけに、3月公演は動員に拍車がかかるかもしれません。

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グリング「海賊」

グリングの舞台は、私たちがぶつかる人間関係のもつれやすれ違い、その切ない瞬間をさりげなく、しかし情感を込めて描きます。そのさりげなささえもほとんど感じさせない演技と演出の熟成も、作品世界に引き込む磁力になっているのでしょう。年末に開かれた第12回公演「海賊」は、ネット上のほとんどのwebサイトが共感を込めて言及した数少ないケースだと思われます。年末回顧企画「振り返る 私の2005」でも何人かがこの舞台を「記憶に残る3本」に挙げていました。まだ取り上げる公演が今年に追いつかなくて申し訳ありませんが、ご容赦願って年末のグリング公演を追いかけます。グリングはこれを最後に1年間活動を休み、次回公演は2006年12月の予定です。見逃した人は残念。残念組のぼくも、年末を楽しみに待っている1人です。

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COLLOL「性能のよい~シェイクスピア作『オセロー』より」

1月7日のマチネに観劇してきました。 題材は悲劇なのだけれど、どこか夢見ごこちな空間。 ラストではじわじわと胸にこみあげてくるものがありました。以下、あじさいがごとくをご覧ください。

1月7日のマチネに観劇してきました。
題材は悲劇なのだけれど、どこか夢見ごこちな空間。
ラストではじわじわと胸にこみあげてくるものがありました。以下、あじさいがごとくをご覧ください。

机上風景「グランデリニア」

 年明けから注目すべき舞台に出会うことができました。トリコA・プロデュース「他人(初期化する場合)」(駒場アゴラ劇場)とCOLLOL「性能のよい-シェークスピア作『オセロ』より」(王子小劇場)です。これらの作品には近く触 … “机上風景「グランデリニア」” の続きを読む

 年明けから注目すべき舞台に出会うことができました。トリコA・プロデュース「他人(初期化する場合)」(駒場アゴラ劇場)とCOLLOL「性能のよい-シェークスピア作『オセロ』より」(王子小劇場)です。これらの作品には近く触れるとして、昨年末に開かれた机上風景の「グランデリニア」公演を取り上げました。年越しの宿題となっていたので、遅れをわびつつ掲載します

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「振り返る 私の2005」に追加

 「振り返る 私の2005」に追加があります。タイニイアリス・プロデューサーの西村博子さんとデザイナーの鈴木雅巳さん、舞踊批評家の志賀信夫さんからも原稿が届きました。早速掲載しました。執筆者は計23人になりました。(1月 … “「振り返る 私の2005」に追加” の続きを読む

 「振り返る 私の2005」に追加があります。タイニイアリス・プロデューサーの西村博子さんとデザイナーの鈴木雅巳さん、舞踊批評家の志賀信夫さんからも原稿が届きました。早速掲載しました。執筆者は計23人になりました。(1月5日追記)