連載「芸術創造環境はいま-小劇場の現場から」最終回(第14回)
玉山悟さん(王子小劇場代表・芸術監督)
◎独自の選球眼で有望劇団の発掘と育成を
劇団スタジオライフ「十二夜」「夏の夜の夢」
◎お祭りシェイクスピア-スタジオライフ版シェイクスピア喜劇
吉田季実子

2006年以降、1年に少なくとも1回はシェイクスピア作品の上演を行っている劇団スタジオライフは今年、『夏の夜の夢』と『十二夜』の2作品を上演した。いずれも再演ではあるが、キャストも一部変更しており、『夏の夜の夢』ではさらにWキャストでの上演だったために、合計3パターンの公演が期間内に繰り返されることになった。これは劇団のシェイクスピアシリーズにおいてははじめての試みである。
この上演形式に関して、演出家である倉田淳はレパートリーシステムが今回の上演のテーマの一つであるとプログラムの中で言及している。役者がすべて男性であり、かつレパートリー制での上演というのは16世紀に劇作家ウィリアム・シェイクスピアが実際に戯曲を書いていた時代での上演形式の踏襲にほかならない。
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村川拓也「ツァイトゲーバー」
◎2つのレベルの関係性
伊藤寧美
作品は、穏やかに始まる。作・演出の村川拓也氏が舞台に上がり、客席に向かって呼びかける。「この作品には一人キャストが足りません。なので、出演に協力してくれる方はいませんか?」と。参加者は、女性であれば誰でもかまわない。手を上げてくれませんかと言われるものの、みなまごまごと様子を伺ってしまい、「このままじゃ上演が始められませんよ」と村川氏も観客も、互いに苦笑してしまう場面もあった。ようやく1人手が上がり、そのままその女性が舞台に上がることとなった。
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劇作家協会新人戯曲賞は柳井祥緒「花と魚」
第17回 劇作家協会新人戯曲賞の公開審査会が12月11日、東京・杉並の座・高円寺で開かれ、受賞作に柳井祥緒 (やないさちお)さん の「花と魚」が選ばれた。正賞は時計、副賞賞金50万円。
柳井さんは1979年東京生まれ。演劇企画ミルク寺を経て2010年「十七戦地」結成に参加、作・演出を担当。今回受賞した「花と魚」は今年(2011年)7月の同劇団旗揚げ公演で上演された。
今年の応募総数は220本。一次審査通過作22本が二次審査に進み、最終候補作6本がこの日の審査で取り上げられた。「質の高い作品がそろった」「例年ならどの作品が受賞してもおかしくない」など審査員が口をそろえる中で、「花と魚」は第1回投票(1人2票)でトップ(5票)、2回目の投票(1人1票)でも7人中5人の票を集めた。
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OMS戯曲賞、F/T劇評コンペ 、小田島雄志・翻訳戯曲賞の受賞者決まる
年末は1年の総決算、一区切りの時期。演劇関係でさまざまな賞の発表が相次いでいる。
まず、フェスティバル/トーキョー11の劇評コンペ 優秀賞が12月1日に発表された。
優秀賞には、『ザ・ショー・マスト・ゴー・オン』を対象にした夏目深雪さんの「反スペクタクルに踊ろう/踊らなかったりしよう」と、岡崎藝術座『レッドと黒の膨張する半球体』を取り上げた百田知弘さんの「叙情性と論理性の狭間で」が選ばれた。受賞者は、来年のF/T主催・公募全演目に招待される。
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年末回顧「振り返る 私の2011」を募集!
ワンダーランド恒例の年末回顧アンケート企画「振り返る 2011」への投稿を募集します。今年みた公演から「記憶に残る3本」を挙げ、コメント300字で締めくくるという趣向です。締め切りは12月25日(日)。この1年の観劇体験にとりあえずの区切りを付けてみてはいかがでしょうか。詳細は以下の通りです。ご協力いただければ幸いです。
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リクウズルーム「ノマ」(クロスレビュー挑戦編第19回)
バナナ学園純情乙女組「バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!」
◎Jを継ぐもの
坂本秀夫

そもそもヲタ芸※1 とは、アイドルライブにおけるファンの声援や手拍子が発展・多様化・様式化し、応援形態が踊り・パフォーマンスのようになったものである。アイドルライブで複数のファンたちが声・動きを合わせるという行為自体は70、80年代からあったらしいが、「L・O・V・E・○○(アイドルの名前等)」などのように現在のヲタ芸と比してシンプルなものであり、ヲタ芸としての現在の形態になったのは、アイドル冬の時代を経過した後の、00年代初頭から中頃―モーニング娘。中期頃―からだ。これは代表的(歴史的)なヲタ芸の多くが、この時期のハロー!プロジェクトの楽曲に合わせるものやそこから発展したものであることからも裏付けられる。つまりヲタ芸は、その発生・発展においてモーニング娘。(97年~)の隆盛と切り離せない文化といえる※2。
「バナナ学園純情乙女組」がその文脈に乗っている(乗ろうとしている)ことは明白だ。
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Port B 「Referendum – 国民投票プロジェクト」
◎いつか、トーキョーを離れるために
堀切克洋
2011年3月11日。この日を境にして、原発問題をめぐる膨大な発言が蓄積され、今日に至っている。けっして数は多くないが、演劇もまたさまざまなかたちでこの現実に応答しようと試みている。
「非戦を選ぶ演劇人の会」による朗読劇『核・ヒバク・人間』(8月27-28日、全労済ホール)、劇団ミナモザ(主宰=瀬戸山美咲)の原発をめぐる私小説的なメタ演劇『ホットパーティクル』(9月21日-27日、Space雑遊)、F/T「公募プログラム」に参加しているピーチャム・カンパニーの『復活』(10月29日-11月4日、都立芝公園集会広場)、12月にはドイツの劇作家エルフリーデ・イェリネクが福島第一原発事故について描いた『光のない。』(9月初演)のリーディングが行われる予定である(12月16日-18日、イワト劇場)。
これらの作品がすでに書かれたテクストの舞台上演を前提としているのに対して、高山明が主宰するPort Bの公演『Referendum-国民投票プロジェクト』(2011年10月11日-11月11日、都内各所および福島県内各所)には、通常の意味におけるテクスト(戯曲)、役者(俳優)、そして舞台(劇場)は存在しない。この公演は、端的に言えば、映像インスタレーションを内蔵したキャラバンカーで各所を巡るというプロジェクトであるが、主軸をなしているのは、「インタビュー」、「フォーラム」、そして「トラベローグ」という三つの要素である。
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