何年前に執筆された作品なんだろう。
「『身毒丸』『桜の森の満開の下』の作者」という肩書きから、あたしは岸田理生を古典の世界の人間のように見ていた。
しかし「嘘・夢・花の物語」の生々しさはその観念を壊した。夢見る夢子さん、幸せを売る男、歌・香・調の三姉妹という名前を裏切って、登場人物たちの思惑は俗っぽく生々しい。
現代にも通じる、ではなく現代に生きる人々そのままの、時に息苦しく感じるほどの現実的な悩み。或いはその生々しさを中和するために、ことさら可愛らしい雰囲気の名詞を岸田理生さんは多用したのかもしれない。
ショウデザイン舎「嘘・夢・花の物語」(空組公演)
何年前に執筆された作品なんだろう。 「『身毒丸』『桜の森の満開の下』の作者」という肩書きから、あたしは岸田理生を古典の世界の人間のように見ていた。 しかし「嘘・夢・花の物語」の生々しさはその観念を壊した。夢見る夢子さん、 … “ショウデザイン舎「嘘・夢・花の物語」(空組公演)” の続きを読む