結成7年目の乞局が、第十回記念公演と銘打って
旗揚げ公演の再演に踏み切りました。
7年前は小学生だった私は
旗揚げ公演と比較してレビューを書くことはできないのですが、
「手を加えたというか原作にして書いた感じでしょうか?」(当日パンフより)
という主宰の下西啓正さんの発言からも、
初演時より大幅に書き換えたことが窺えます。
乞局の作り出す
「いつ誰がキレるか分かんないぴりぴりした空気」が
個人的には好きでよく見ているのですが、
今回の「乞局」は何というか、笑えた。
出来が拙かったという意味ではなく、
乞局特有の痛々しい、差別的なシーンの最中に、
「痛々しすぎて笑える」瞬間がたびたび有りました。
舞台上では社会的弱者が容赦なく侮蔑されていて
それは確かに胸くそ悪いシーンなのですが、
侮蔑されている人間の愚鈍さに、くすっとではなく、
けっこうしっかり声を出して笑ってしまう。
初期の作品ゆえか
登場人物の勘違いや現実逃避が
観客にはっきり分かるように描かれているというのも
理由のひとつなのかもしれませんが、
「笑える乞局作品」を見たのは初めてだったので
とても新鮮な印象を受けました。
役者も豪華なメンバーを揃えているので、
見て損は無い公演だと思います。