劇団印象「幸服」

 劇団印象の第3回公演「幸服」が横浜のSTスポットで開かれました(2月10日-13日)。慶応大出身者らが2003年に旗揚げ。当初は言葉遊びを多用した野田秀樹風のスタイルを採用していたが、昨年11月公演から「言葉にこだわっ … “劇団印象「幸服」” の続きを読む

 劇団印象の第3回公演「幸服」が横浜のSTスポットで開かれました(2月10日-13日)。慶応大出身者らが2003年に旗揚げ。当初は言葉遊びを多用した野田秀樹風のスタイルを採用していたが、昨年11月公演から「言葉にこだわった『エッチで、ポップで、ドキュメンタリー』な芝居でオリジナリティーを確立すべく奮闘中」だそうです。
 今回の芝居は父親と息子、それに父が通うバーのホステスがアパートの一室で展開する密度の濃い会話劇と言っていいのではないでしょうか。

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阿佐ヶ谷スパイダース「悪魔の唄」

 長のご無沙汰でした。昨年末からWonderlandサイト編集がほとんど手つかずでしたが、やっと復帰の条件が整いました。また非力を顧みずあちこち歩き回ります。よろしくお願いします。  さて、阿佐ヶ谷スパイダース「悪魔の唄 … “阿佐ヶ谷スパイダース「悪魔の唄」” の続きを読む

 長のご無沙汰でした。昨年末からWonderlandサイト編集がほとんど手つかずでしたが、やっと復帰の条件が整いました。また非力を顧みずあちこち歩き回ります。よろしくお願いします。

 さて、阿佐ヶ谷スパイダース「悪魔の唄」の東京公演(2月17日-3月2日、下北沢・本多劇場)が終わり、大阪、札幌、仙台、 名古屋、福岡、広島公演が3月末まで続きます。楽しみにしている方もいらっしゃると思いますが、東京公演は好評だったようです。「しのぶの演劇レビュー」や「某日観劇録」など多くのサイトが取り上げていますが、今回紹介するのは青木理恵さんのレビューです。 今春から社会人だそうです。これからもどんどん書いてほしいですね。以下、全文です。

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三条会『若草物語』

小見出し ・まえがき ・原書『Little Women』原作『若草物語』と、上方歌舞伎の和事の近さ ・歌舞伎・バレエ・ミュージカルを、それぞれたらしめる可視・不可視のもの ・三条会に物語は可能か ・倫理と友情よ永遠なれ … “三条会『若草物語』” の続きを読む

小見出し
・まえがき
・原書『Little Women』原作『若草物語』と、上方歌舞伎の和事の近さ
・歌舞伎・バレエ・ミュージカルを、それぞれたらしめる可視・不可視のもの
・三条会に物語は可能か
・倫理と友情よ永遠なれ
・「発条ト」参加の音楽から浮かび上がった三条会の猛々しい魅力

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三条会 『若草物語』

 三条会が新作『若草物語』をひっさげて本拠地である千葉公演に臨んだ。所属俳優全員が顔を揃え、多彩なゲストを迎えた豪奢な華やかさ。また先達て関美能留が千葉市芸術文化新人賞を受賞したばかりということもあり、話題性は抜群、どう … “三条会 『若草物語』” の続きを読む

 三条会が新作『若草物語』をひっさげて本拠地である千葉公演に臨んだ。所属俳優全員が顔を揃え、多彩なゲストを迎えた豪奢な華やかさ。また先達て関美能留が千葉市芸術文化新人賞を受賞したばかりということもあり、話題性は抜群、どうにも期待せざるを得ない。春も間近いホール椿。いざと心構え、不意打ちは重々覚悟ながらもやはりあれよの大展開に圧倒され、しかし気がつけばすっかり『若草物語』の世界に引きこまれてしまうのだった。

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流山児★事務所「ハムレット」

 日韓演劇交流2005ワークショッププロジェクト公演と銘うたれていた。演出は流山児★事務所に招聘されて来日した玄志勳。10か月間の研修も終わりに近づき、その成果を公開しようというわけだ。実りのある、とてもいい企画だと思っ … “流山児★事務所「ハムレット」” の続きを読む

 日韓演劇交流2005ワークショッププロジェクト公演と銘うたれていた。演出は流山児★事務所に招聘されて来日した玄志勳。10か月間の研修も終わりに近づき、その成果を公開しようというわけだ。実りのある、とてもいい企画だと思った。
 演出の言葉に「初めて東京に来た。初めて東京の町を歩いた」……「そして初めて日本で演出した」云々とある。初々しい若武者の、胸の高鳴りが聞こえるようだった。出演は人形糸操り崔永度とヴァイオリンの朴昡柱、そのほか7人はすべて流山児★事務所の役者たちだったから、日韓演劇交流がかけ声だけでないこともよくわかる。

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Ugly duckling 「フル・オーケストラ」

ものすごくリキの入った、スケールのでかい装置にまず驚かされる。ヨーロッパ風の建物かなあ、広い舞台いっぱいに規則正しい長四角の石を積み上げたいくつかの階段や壁。町と言われればそんな気もするし、あちこちにマンホールの蓋があり … “Ugly duckling 「フル・オーケストラ」” の続きを読む

ものすごくリキの入った、スケールのでかい装置にまず驚かされる。ヨーロッパ風の建物かなあ、広い舞台いっぱいに規則正しい長四角の石を積み上げたいくつかの階段や壁。町と言われればそんな気もするし、あちこちにマンホールの蓋があり、高い壁が上のほうでカーブを描き、ぽっかりあいた丸い穴に向かって垂直な梯子が伸びているので、都市の下を流れる下水道と見れば見えないこともない。

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こまつ座 『円生と志ん生』

◎ユートピアのゆくえ  こまつ座にとっては『兄おとうと』(2003年)、井上ひさし自身にも『夢の泪』(新国立劇場、2003年)以来凡そ二年ぶりとなる新作は、二人のはなし家がその興行途中、敗戦直後の満州大連に閉じこめられた … “こまつ座 『円生と志ん生』” の続きを読む

◎ユートピアのゆくえ

 こまつ座にとっては『兄おとうと』(2003年)、井上ひさし自身にも『夢の泪』(新国立劇場、2003年)以来凡そ二年ぶりとなる新作は、二人のはなし家がその興行途中、敗戦直後の満州大連に閉じこめられた六百日間の道行を描いた『円生と志ん生』。五年前から構想をあたため、初日を二月五日に控えた一月二十七日に脱稿したという今作。前評判は相も変わらず頗る好調、前売完売も毎度の事ながら周囲の期待は否が応にも高まる。無事に、かどうかは舞台裏のこと、「遅筆堂」を支えるスタッフ一同の苦労は推して知るべしと云ったところだが、兎にも角にも初日の開幕ベルは紀伊國屋ホールに響き渡った。

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KUDAN Project「くだんの件」

 少年王者舘KUDAN Project「劇終/OSHIMAI~くだんの件」のレビューをお届けします。筆者は青木理恵さん。日本文学専攻の大学生です。実は南船北馬一団の公演評より先ににいただいていたのですが、掲載が遅れました … “KUDAN Project「くだんの件」” の続きを読む

 少年王者舘KUDAN Project「劇終/OSHIMAI~くだんの件」のレビューをお届けします。筆者は青木理恵さん。日本文学専攻の大学生です。実は南船北馬一団の公演評より先ににいただいていたのですが、掲載が遅れました。スミマセン。

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南船北馬一団「にんげんかんたん」

 昨年夏から続いてきたアリスフェスティバルのしんがりは、大阪を拠点に活動している南船北馬一団の 「にんげんかんたん」公演だった(2月4-6日)。旗揚げ公演「よりみちより」で96年スペースゼロ演劇賞大賞を受賞。2002年4 … “南船北馬一団「にんげんかんたん」” の続きを読む

 昨年夏から続いてきたアリスフェスティバルのしんがりは、大阪を拠点に活動している南船北馬一団の 「にんげんかんたん」公演だった(2月4-6日)。旗揚げ公演「よりみちより」で96年スペースゼロ演劇賞大賞を受賞。2002年4月上演した「帰りたいうちに」で、第7回劇作家協会新人戯曲賞大賞を受賞するなど、活動の幅を広げている実力派劇団。新境地に挑む新作について、青木理恵さんからレビューをいただきました。

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KUDAN Project「くだんの件」

 公演名を詳細に書くと、少年王者舘KUDAN Project「劇終/OSHIMAI~くだんの件」。ちょうど10年前に東京・新宿のタイニイアリスで初演され、その後98/99、2000/01年にアジア公演と国内公演が行われて … “KUDAN Project「くだんの件」” の続きを読む

 公演名を詳細に書くと、少年王者舘KUDAN Project「劇終/OSHIMAI~くだんの件」。ちょうど10年前に東京・新宿のタイニイアリスで初演され、その後98/99、2000/01年にアジア公演と国内公演が行われています。作・演出は天野天街(少年王者舘)で、小熊ヒデジ(てんぷくプロ)と寺十吾(tsumazuki no ishi)の2人芝居です。1月26日-2月1日まで横浜相鉄本多劇場で。

 KUDAN Projectのwebサイトによると、物語は次の通りです。

 どこでもない時、どこでもないところ、どこでもない夏の或る日……記憶の奥に取り残された荒廃した店頭。ホコリの積もったカウンターの奥に座る一人の男(ヒトシ)のもとに、一人の男(タロウ)が訪ねてくる。タロウは昔、集団疎開をしていた頃、このあたりの二階の片隅で半人半牛の怪物「クダン」を飼っており、その「クダン」を探しに来たという。謎めいた二人の過去をめぐり会話は捩れ、過去と現在を行きつ戻りつしながら世界は迷走し、蝉時雨を背景に分裂と増殖を繰り返す。《夏》のイメージを明滅させながら、まるで極彩色の光の中をジェットコースターで走り抜けるようなスピードで物語は展開し、夢か現(うつつ)かわからぬ世界の先に待つオシマイへと向かいます。

 葛西李奈さんから「くだんの件」のレビューが届きました。「ユメの終わるユメ」とラストの光景を重ねています。以下、全文です。

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