アルカサバ・シアター「壁―占領下の物語II」

 パレスチナの状況を演劇で発信するアルカサバ・シアターが昨年の「アライブ・フロム・パレスチナ―占領下の物語」公演に続き、今年の東京国際芸術祭に新作「壁-占領下の物語II」で登場しました(3月10-15日、東京・新宿のパー … “アルカサバ・シアター「壁―占領下の物語II」” の続きを読む

 パレスチナの状況を演劇で発信するアルカサバ・シアターが昨年の「アライブ・フロム・パレスチナ―占領下の物語」公演に続き、今年の東京国際芸術祭に新作「壁-占領下の物語II」で登場しました(3月10-15日、東京・新宿のパークタワーホール)。今回はNPO法人アートネットワーク・ジャパンとの国際共同制作。舞台美術は日本のメディアアーチスト椿昇が担当し、自治区を貫いて建設されている「壁」を舞台に組み上げ、圧倒的な迫力でせまります。
 「東京国際芸術祭(TIF)」のwebサイトに「劇評通信」ページが設けられ、河野孝 ( 演劇ジャーナリスト )とエグリントンみか ( 英演劇・演劇批評 )の2人がそれぞれ「 壁-占領下の物語II 」のレビューを掲載しています。主催団体がレビューを掲載するという試みは、公演の意義を広く社会に定着させたいという熱意の表れかもしれません。
 またこのwebサイトは公演紹介ページも充実し、「プレス資料」(pdfファイル)は作品の内容や背景を詳細に紹介しています。

野鳩「お花畑でつかまえて」 

 「お花畑でつかまえて」は、漫画大好き少年が、自分の漫画を舞台に描きたいと作、一作努力してきて、ついに完成!――最後のシーンになぞらえて言えば、ついに卒業!――した舞台だったといえよう。これまでの野鳩の最高の到達であった … “野鳩「お花畑でつかまえて」 ” の続きを読む

 「お花畑でつかまえて」は、漫画大好き少年が、自分の漫画を舞台に描きたいと作、一作努力してきて、ついに完成!――最後のシーンになぞらえて言えば、ついに卒業!――した舞台だったといえよう。これまでの野鳩の最高の到達であった。

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劇団千年王國『SL』

 東京国際芸術祭のリージョナルシリーズで、札幌を拠点に活動している劇団千年王國「SL」公演が開かれました(3月12日-13日、東京芸術劇場小ホール1)。作・演出の 橋口幸絵さんによると、この作品は16年前に書かれた第1作 … “劇団千年王國『SL』” の続きを読む

 東京国際芸術祭のリージョナルシリーズで、札幌を拠点に活動している劇団千年王國「SL」公演が開かれました(3月12日-13日、東京芸術劇場小ホール1)。作・演出の 橋口幸絵さんによると、この作品は16年前に書かれた第1作で、たびたび手を加えて再演されてきたそうです。劇団として2003年に1回、それに今年1月に札幌で再演された舞台ですから、劇団の中心演目と言っていいではないでしょうか。
 このところ精力的に東京の舞台を見ている「デジログからあなろぐ」サイトは「まず始めにこの一言だけを言っておきたいのですが、素晴らしかったです。物語もさることながら、演出、音響、照明、そんなスタッフワークのクオリティーの高さが一際目立った作品でありました。(中略)エネルギー溢れる男性陣の演技に支えられている最近ではなかなか珍しい劇団でした」と脱帽しています。

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西田シャトナー演劇研究所「感じわる大陸」

 名古屋に拠点を移したシャトナー研(西田シャトナー)が、名古屋で初めての公演を開きました。タイトルは「感じわる大陸」(七ツ寺共同スタジオ、3月07-08日)。関連のWebサイトによると「台本なし、プロットあり、暗転代わり … “西田シャトナー演劇研究所「感じわる大陸」” の続きを読む

 名古屋に拠点を移したシャトナー研(西田シャトナー)が、名古屋で初めての公演を開きました。タイトルは「感じわる大陸」(七ツ寺共同スタジオ、3月07-08日)。関連のWebサイトによると「台本なし、プロットあり、暗転代わりに生演奏! 企画立ち上げから本番まで1週間という極限状態のなかで、恐ろしい(役者にとって)舞台の幕がいまマジであがる!」だそうです。相変わらず意欲的な作品だったようですね。
 「観劇の日々」サイトは「とにかく出演者全員が楽しんでて、観客にもそれが伝わって、巻き込まれてさらに盛り上がって、その場にいる全員が創り上げた舞台という感じで(中略)お勧め度9(10段階)」だそうです。

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万能グローブ ガラパゴスダイナモス「ザ・グラマーボーイズ」

 年末年始のページに動きのなかった「福岡演劇の今」サイトが2月に入ってから活発にレビューを掲載しています。一安心しました。3月は執筆中の公演が4本、掲載済みが3本。その中で、万能グローブ ガラパゴスダイナモス「ザ・グラマ … “万能グローブ ガラパゴスダイナモス「ザ・グラマーボーイズ」” の続きを読む

 年末年始のページに動きのなかった「福岡演劇の今」サイトが2月に入ってから活発にレビューを掲載しています。一安心しました。3月は執筆中の公演が4本、掲載済みが3本。その中で、万能グローブ ガラパゴスダイナモス「ザ・グラマーボーイズ」公演(3月10-11日、甘棠館Show劇場)を取り上げています。 ガラパゴスダイナモスは「1年の準備期間を経て」活動開始。今回が「第0回公演」(旗揚げ前のプレ公演)だそうです。福岡演劇の今」は「いいもの持ってるから、ねぇ」とのタイトルで冒頭、次のように述べています。期待が分かりますね。

無理やりでも見せてやろうという意欲が、多くの欠点を引きずりながらも、ラストまで何とか観客を引っぱっていくという舞台だった。
 その欠点の影に、まだ発見されていないこの劇団の演劇の魅力が埋まっているのを感じた。それを早く掘り起こしてほしいと願う。…

松本修構成・演出「城」(カフカ原作)

 「演劇時評」サイトはときに辛口ですが、1996年から続いている貴重なサイトです。筆者は中村隆一郎さん。「ひとりの観客として感じたことを率直に書いています。Web上の劇評は若い人のものが圧倒的に多いのですが、僕は二回りほ … “松本修構成・演出「城」(カフカ原作)” の続きを読む

 「演劇時評」サイトはときに辛口ですが、1996年から続いている貴重なサイトです。筆者は中村隆一郎さん。「ひとりの観客として感じたことを率直に書いています。Web上の劇評は若い人のものが圧倒的に多いのですが、僕は二回りほど上の世代」だそうです。舞台への目配りや確かな文章からも、そんな落ち着きが感じられます。ただ続く文章で「だから青年達には珍品に見えるかもしれない。このギャップ(は)掲示板を読んで見たら楽しめると思います。意見があったら書き込んで下さい。毒にも薬にもならない役立たずの劇評に対抗してラディカルに劇を論じたいひとのために」とありました。なるほど。底力を感じるのはそのせいだったのですね。
 その中村さんが、東京・新国立劇場で開かれた松本修構成・演出のカフカ原作「城」公演(1月14日-30日)を取り上げました。

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裸伝Q「黄色い線まで」

 「裸伝Q」は作・演出の鍋島松濤さんが主宰する演劇ユニット。東京・中野のスタジオあくとれで第7回公演「黄色い線まで」が開かれました(2月17日-20日)。鍋島さんによると、「子供の頃に描いた淡い夢、その残像が微かに残った … “裸伝Q「黄色い線まで」” の続きを読む

 「裸伝Q」は作・演出の鍋島松濤さんが主宰する演劇ユニット。東京・中野のスタジオあくとれで第7回公演「黄色い線まで」が開かれました(2月17日-20日)。鍋島さんによると、「子供の頃に描いた淡い夢、その残像が微かに残った大人達のお話」だそうです。

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東京ネジ「フロウフユウ」

 「東京ネジ」の第2回公演「フロウフユウ」が東京・王子小劇場で開かれました(1月27日-30日)。このグループは、盛岡を拠点に活動していた劇団ネジのメンバーら女性5人で2003年11月に結成。「佐々木」姓が3人、血液型A … “東京ネジ「フロウフユウ」” の続きを読む

 「東京ネジ」の第2回公演「フロウフユウ」が東京・王子小劇場で開かれました(1月27日-30日)。このグループは、盛岡を拠点に活動していた劇団ネジのメンバーら女性5人で2003年11月に結成。「佐々木」姓が3人、血液型AB型が3人だそうです(まとまりがいいのでしょうか?)。
 「デジログからあなろぐ」や「しのぶの演劇レビュー」も書いていますが、 
このほど小畑明日香さんから長めの公演評をいただきました。小畑さんは今春から大学生。フレッシュな目に、舞台はどう映ったのでしょうか。

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鳳劇団「昭和元禄桃尻姉妹」

 鳳劇団の旗揚げ公演「昭和元禄桃尻娘」を東京・新宿のタイニイアリスでみることができました(2月15-16日)。せりふや所作などでいわゆる大衆演劇の衣を借りているのですが、そこでよくみられる義理人情の淀みに融解するわけでは … “鳳劇団「昭和元禄桃尻姉妹」” の続きを読む

 鳳劇団の旗揚げ公演「昭和元禄桃尻娘」を東京・新宿のタイニイアリスでみることができました(2月15-16日)。せりふや所作などでいわゆる大衆演劇の衣を借りているのですが、そこでよくみられる義理人情の淀みに融解するわけではありません。忘却の洪水に浸される現世に、戦中の忘れがたい一筋の記憶を刻もうとする確かな舞台です。「ロマネスク不条理劇」を掲げ、「游劇社」を拠点に長年活動してきた鳳いく太が、新しい展開を図る記念碑的舞台だったと思えます。変わった衣よりも、変わらない原石を見る思いの一夜でした。

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山の手事情社『狭夜衣鴛鴦剣翅』

 この公演は2003年1月、東京・下北沢のザ・スズナリで開かれました。ちょうど2年経った今年1月、演劇通の間で密かに知られる「ひびのさいと」が「構築と脱構築の永久往還運動」というタイトルで取り上げました。筆者は成蹊大学文 … “山の手事情社『狭夜衣鴛鴦剣翅』” の続きを読む

 この公演は2003年1月、東京・下北沢のザ・スズナリで開かれました。ちょうど2年経った今年1月、演劇通の間で密かに知られる「ひびのさいと」が「構築と脱構築の永久往還運動」というタイトルで取り上げました。筆者は成蹊大学文学部の日比野啓助教授。アメリカ演劇・映画、日本近代演劇、演劇理論を専攻する気鋭の研究者です。2年以上前の公演を紹介するのはこのサイトとして異例ですが、リンク先の一文を読んでいただければ賛否を超えて納得していただけるのではないでしょうか。
 昨年末、山の手事情社が結成20周年記念公演を青山円形劇場で開き、劇団(訓練された団員たち)の高い力量を見せたことも、「異例」を許容する少なからざる理由になっています。

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