忘れられない1冊、伝えたい1冊 第2回

◎『道具づくし』(別役実著、大和書房)
 大泉尚子

「道具づくし」(大和書房)表紙
「道具づくし」(大和書房)表紙

 大きな声じゃあ言えないが、演劇やダンスに本は要らないと思って久しい。やっぱり舞台は「やる」か「見る」しかないっしょ。不勉強の言い訳でもあるけど。とはいえ「犬も歩けば」で、出会うものはある。

 さて、劇作家が自らの作品を読み上げる「芸劇+トーク―異世代劇作家リーディング『自作自演』」はどの回も面白かった。なかでも印象深かったのが、第3回に登場された別役実さん。
 直前に腰を痛められたとか、脇を支えられ、やや覚束ない足取りで登壇。心なしか、朗読の声も力がないようで「大丈夫かしら…」と思いきや―。
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北九州演劇フェスティバル2012「ちょっと舞台《まち》まで」

◎舞台は京町銀天街
 福岡佐知子

 小倉京町銀天街はJR小倉駅から横に広がるアーケード商店街であり、江戸時代、九州の各街道の基点となった常盤橋のたもとへと延びる。古くは小倉城下や交通の要所として、小倉駅の移転前(現在の西小倉駅の場所に小倉駅はあった)は町の中心部として、栄えた歴史を持つ。近年は小倉駅から離れるにつれ空き店舗のシャッターやビジネスホテルの印象が目立つ地域だが、点々と懐かしい雰囲気の店構えが昔そのままに残っている。北九州芸術劇場もテナントとして入る大型商業施設「リバーウォーク北九州」へと向かう格好の通り道であり、休日には若者がまた雨の日には自然と往来が増す。
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忘れられない一冊、伝えたい一冊 第1回

◎『誰か故郷を想はざる』(寺山修司著、角川文庫)
 水牛健太郎
「誰か故郷を想はざる」
 寺山修司のことは何も知らない。
 ワンダーランドに書評欄というか読書欄を作ることになり、編集長という名の切り込み隊長、一番槍を仰せつかった。はて何を取り上げようと愚考するに、戯曲でも演劇雑誌でもいいのだそうだ、しかし折角だから高名な、しかし読んだこともなければ芝居を見たこともない、かの「テラヤマ」にしようと思ったわけです。
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【レクチャー三昧】2012年4月

 個人的な事情で長いこと休載してしまい申し訳ございませんでした。
 4月は新年度(今のところ、おおかたの大学は)のスタートですので、これからの催しは月が明けてから発表されるところが多いです。見つかり次第【レクチャー三昧】カレンダー版(>>)に入力していきますので、そちらをご覧下さい。(4月の情報が主になりますが、5月と6月の情報も一部含まれます)(高橋楓)
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ジエン社公演「アドバタイズドタイラント」

◎言葉と音楽の立体交差点で
 梅田 径

「アドバタイズドタイラント」公演チラシ
公演チラシ

 観劇を愛する人なら誰でも、ひいきの劇団がひとつやふたつあるはずだ。とはいっても、その劇団の旗揚げから観続けているというのは稀なケースに入るだろう。名も知らぬ劇団の旗揚げを観に行くには動機がいるだろうし、その劇団がずっと見続けたくなるようになるほど魅力的でなければならない。

 僕が旗揚げからすべての公演を見ている劇団はまだジエン社しかない。僕がジエン社を見続けているのは、単純にジエン社や作者本介のファンである、ということだけではなくてもう少し屈折した理由がある。早稲田大学で凡庸な学生としてすごしていた僕はジエン社を、その前身である自作自演団ハッキネンと重ねてしまうのだ。そもそも「ハッキネンの劇団」という肩書がなければジエン社を観に行くこともなかっただろう。
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渡辺美帆子企画展「点にまつわるあらゆる線」(青年団若手自主企画)

◎彼女のすべてを見尽くすことはできない-展示空間を食い破る演劇のトリガー
 藤原ちから/プルサーマル・フジコ

「点にまつわるあらゆる線」チラシ
企画展チラシ

■「記憶/記録」の罠

 今この瞬間にもたくさんの作品が生み出されているが、たとえ優れたものであっても、たまたま良き理解者に恵まれなかったがゆえに埋もれてしまうことはある。タイムラインは今や、消費と忘却のストリームを形成している。それが果たして、作り手たちの渾身の作品の味方をしてくれるのかどうか、定かではない。だがそれでも「それ」は確かにあったのだ!、と思うからこそ、その存在証明をアーカイブとして書き残すこと。それが劇評の主たる使命だと考えてきた。
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パセリス「あたりまえのできごと」(クロスレビュー挑戦編第25回)

「あたりまえのできごと」公演チラシ
 「演劇の面白さ」と「日常の面白さ」を作品にして提供したい-。パセリスの公式ブログにそう載っていました。その二つが幸福に出会う場面はどのように舞台に出現したのでしょうか。
 クロスレビューはいつものように、5段階評価と400字コメントです。じっくりご覧ください。掲載は到着順。末尾の括弧内は観劇日時です。(編集部)

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中野成樹+フランケンズ「ゆめみたい(2LP)」

◎それでも「そっと前進」する
 關智子

「ゆめみたい(2LP)」公演チラシ
「ゆめみたい(2LP)」公演チラシ
 「これはある男の話である。彼は決断力を欠いていた」
 (‘This is a tragedy of a man, who could not make up his mind.’)

 ローレンス・オリヴィエが監督・主演を務めた映画『ハムレット』はこの言葉から始まる。叔父クローディアスに殺された父王の仇をとろうとしながら、主人公ハムレットはその決定的証拠がないためになかなか目的を果たせずにいる。ハムレットを決断できない男として見る見方は現在では広く受け入れられており、あらゆる上演でこの解釈が取り入れられている。中野成樹+フランケンズ(以下「ナカフラ」)『ゆめみたい(2LP)』も部分的にはその流れを汲んでいると言えるだろう。決断できない男ハムレットを描いた他の上演作品やオリヴィエの『ハムレット』とこの作品が異なっている点は、前者は作品を提示するにあたってなんらかの解釈を採択すると「決断」しているのに対し、後者は作品の提示の仕方そのものも全面的には「決断」しない。
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「クロストーク150分 最前線の演劇知」(前・後期)

◎熱く語った150分!×8
 伊藤昌男

「クロストーク150分 最前線の演劇知」(後期)チラシ 昨年の4月、東日本大震災の1か月後に始まった徳永京子プロデュース『クロストーク150分 最前線の演劇知』。前期と後期を合わせ、最前線で活躍する8人の劇作家・演出家の話を聞いた。
 それぞれが、確固とした信念と実績に裏打ちされた貴重な話をされ、演劇界に対する思い入れも当然ながら真剣なものであつた。トークは毎回一人のゲストに対し、演劇ジャーナリストの徳永京子さんがインタビユーするという形式で行われた。
徳永京子プロデュース『クロストーク150分 最前線の演劇知』
・前期(2011年4月~2011年7月)岩松 了、長塚圭史、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹
・後期(2011年12月~2012年2月)宮沢章夫、松尾スズキ、鵜山 仁、いのうえひでのり
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クロスレビュー挑戦編の4月公演団体決まる

クロスレビュー挑戦編の4月公演が次の2団体に決まりました。みなさんのレビュー投稿をお待ちしています。
コント劇団 もより駅は轟です(2012年4月20日-22日(日) 、劇場バイタス新宿)
・京都・劇団しようよ「ガールズ、遠く -バージンセンチネル-」(2012年4月26日-30日、東山青少年活動センター)
 5月公演団体の応募受付中です。締め切りは4月15日(日)。 旗揚げ間もない劇団、これまでの活動が評価されていないと感じているグループ、短期間の公演で周知/宣伝が広がりにくいカンパニーなどの積極的な応募を歓迎します。詳細は次のページをご覧ください。
>> クロスレビュー挑戦編応募要項