◎強力で甘美な物語
小畑克典
「革命日記」は、集団が共有する大きな物語と個人に属する小さな物語を対置し、その二元対立が生み出す緊張やうねりを推進力とする、強力かつ甘美な物語である。その力強さ・甘美さは確かに観客をひきつけるが、同時に何かしら居心地の悪さを感じさせた。
小劇場レビューマガジン
◎強力で甘美な物語
小畑克典
「革命日記」は、集団が共有する大きな物語と個人に属する小さな物語を対置し、その二元対立が生み出す緊張やうねりを推進力とする、強力かつ甘美な物語である。その力強さ・甘美さは確かに観客をひきつけるが、同時に何かしら居心地の悪さを感じさせた。
◎立花の背中が幻視させる非「革命」的な時間
プルサーマル・フジコ
『革命日記』はまず何を差し置いても立花という女性の役を演じた鄭亜美が真面目さと切なさと色っぽさを抑制しつつも振りまいていて、革命闘士も支援者も町内会のおばさんたちもひっくるめた全ての登場人物の中でいちばんマトモな人間であるその彼女が、革命組織の異常さを客席に背を向けたまま糾弾するシーンが素晴らしい。
◎沈黙する神に向かって語りかける-待つこと
竹重伸一
この舞台は観客と共に、決して応答することのない沈黙する神に向かっても語りかけているように思えた。その意味ではDA・Mの仕事はS・ベケットの『ゴドーを待ちながら』に連なるものかもしれない。二年前の前作『Random Glimpses/でたらめなわけ』では映像や大量の椅子を使ったりしてまだスペクタクルな要素を多分に残していたが、今作はパフォーマーの肉体と空間との関係にフォーカスを絞ってよりシンプルでフラットな作品になった。そしてパフォーマーの動きも、特に前作では過剰な情念を感じさせた中島彰宏のパフォーマンスの変化がよく示しているように、よりニュートラルでイリュージョンや意味性を排除したものになっている。
6月のクロスレビューは庭劇団ペニノの「アンダーグラウンド」を取り上げます。2006年に上演され話題を呼んだ作品の再演です。世田谷・シアタートラムで6月6日から13日まで上演されます。
応募要領は、これまでと同じです。☆印による5段階評価。レビュー本文(コメント)400字。名前と肩書。それに郵便番号と住所を書き添えてください。もう一つ、観劇日を末尾に付けてください。送り先は info(a)wonderlands.jp 。(a)はアットマークに変えてください。多数の応募を待っています。
締め切りは6月14日。公演を見たばかりの熱気あふれる投稿をお待ちしています。採用分には薄謝を進呈します。
6月16日発行予定の「マガジン・ワンダーランド」に掲載予定。その後、webサイトに転載します。 マガジンの購読(無料)は登録ページから手続きしてください。
★カトリヒデトシさんのお薦め今月のお薦めイヴェントは、なんといっても「追悼ピナ・バウシュ」@ドイツ文化会館、および「ダムタイプ ヴィデオ上映会」@ICCシアターでしょう。ダムタイプの古橋悌二氏はもとより、ピナ・バウシュ氏も彼岸の人となりました。し … “【レクチャー三昧】6月のお薦め” の続きを読む
今月のお薦めイヴェントは、なんといっても「追悼ピナ・バウシュ」@ドイツ文化会館、および「ダムタイプ ヴィデオ上映会」@ICCシアターでしょう。ダムタイプの古橋悌二氏はもとより、ピナ・バウシュ氏も彼岸の人となりました。しかし、いたましくもその作品は、生き残っている我々に<希望>を与え続けてくれています。
(高橋楓)
◎犬吠埼灯台の霧笛舎と共演 6月に東京公演も
カトリヒデトシ
太古の恐竜の咆哮がカマボコ型の天井に跳ね返り、楼内に響く。その力、その哀切にこちらの琴線がかき鳴らされる。
音響的に「返し」がどうとか全く関係ない。すばらしい残響とは無縁でもその生の声による余韻こそ、今、ここでしか見られない演劇の醍醐味を確かに体感させてくれる。
◎寒さと孤独、そして「ヨブ記」
鼎談(芦沢みどり、田口アヤコ、北嶋孝)
芦沢 今回のCOLLOLの公演『このままでそのままであのままでかみさま』について、最初に編集部からいただいたのは劇評を書かないかと言う話だったんですが、今回の作品は非常に色々な要素があるので、一人で書くよりは、鼎談にした方がいいと思ったんです。鼎談というより、私と北嶋さんが田口さんに質問する場になってしまうかと思うのですが。まずは会場のBankART Studio NYKですが、3月28日の夜、本当に寒くて使い捨てカイロを渡されて。その印象が強い。だだっぴろい横長の倉庫ですね。それでまずお聞きしたいのは、場所が先にあって、それに合わせて作品を作ったのか、それとも作品が先なんでしょうか。
1979年の初演以来、ロングランを続けた「上海バンスキング」復活公演が放映されます。昭和初期の上海を舞台にしたジャズマン達の物語は、役者たちの生演奏でも話題を呼びました。今年2~3月に行われたこの復活公演では、元オンシ … “テレビで見る演劇(~6月末)” の続きを読む
1979年の初演以来、ロングランを続けた「上海バンスキング」復活公演が放映されます。昭和初期の上海を舞台にしたジャズマン達の物語は、役者たちの生演奏でも話題を呼びました。今年2~3月に行われたこの復活公演では、元オンシアター自由劇場の面々が再結集しています。「富士見町アパートメント」は、4人の作家が書き下した4作品の連続公演。いずれもアパートの一室という設定で、同じ舞台装置が使われています。6月11日と18日の2日間、2作品ずつの舞台中継です。井の頭公園内の原っぱで上演された「行商人ネモ」では、唐組の芝居がテレビの画面にどう映るかも、興味を惹かれるところではないでしょうか。
(場合により、番組内容、放送日時などが変更になることがあります。また、地上波デジタル放送の番組表は関東地区のもので、地域により一部番組が異なります)
◎《演劇LOVE》の照らし出す未来
プルサーマル・フジコ

前回、ワンダーランドに寄稿した文章(*1)は未来の誰かに宛てて書いたのだけどそれは或る制作者Nさんが「僕は、20年後の未来に向けて作ってますね」と力強く小田急線の下北沢駅の改札入ってすぐのとこで語ってくれたのがズシンと胸に刺さったからで、それ以来「未来」とゆー言葉が凄く具体的なイメージを持ってしまって浮かんで消えない。