◎舞台の上に充満する「空気」 内在化された想像上の他者の視線
松井周(青年団リンク「サンプル」主宰)
ポツドール的なるものを挙げるとすると、以前なら例えば暴力やエロといった言葉が浮かぶこともあっただろうが、今となってはそういったことを切り口にポツドールを捉えようとしてもどこか本質を取り逃がしてしまう気がする。本質というと何か実体がありそうだが、そういうものでもなく、あえて言うなら「空気」と呼ぶような目に見えないものである。舞台の上に充満する「空気」を感じるために私たちはポツドールを観ているのだろう。観客だけでなく、俳優、スタッフ、演出も含めて全ての者がその「空気」に奉仕しているような感覚を受ける。

私たちは、生きるために生まれてくる。その前提があるから、懸命に生きようと思うことができる。では、死ぬために生まれさせられるのだとしたら? いや、そうでなくとも、ある目的のために<生>を強いられるとしたら? それでも、私たちは同じように懸命に生きることができるだろうか。
流山児★事務所の『狂人教育』を観に行ったら、にわかには信じられないようなチラシが挟まっている。キャスト・戌井市郎、瓜生正美、中村哮夫、肝付兼太、本多一夫、高橋悠治。映像出演に観世榮夫、岩淵達治。箔つきの大御所ばかりではないか。この人々が高齢者劇団「パラダイス一座」を旗揚げし、山元清多のホンで共に12月、演出・流山児祥でスズナリの舞台に共に立つのだという。しかもチラシ写真と題字がアラーキー。美術は妹尾河童と書いてある。
超リアルなせりふや脱力的な身振りなどで知られる演劇ユニット「