◎一年目
いしい みちこ
今日は3月9日、福島県立高等学校II期選抜試験の2日目だ。
昨年の今日も入試の2日目だった。昨年とピッタリ同じ日程。だからあの日の丸1年後の明後日も、同じように合否判定会議をして同じように入試業務をするだろう。
昨年と同じように見えながら確実に違ってしまっている今日。
“震災特別報告” の続きを読む
小劇場レビューマガジン
◎一年目
いしい みちこ
今日は3月9日、福島県立高等学校II期選抜試験の2日目だ。
昨年の今日も入試の2日目だった。昨年とピッタリ同じ日程。だからあの日の丸1年後の明後日も、同じように合否判定会議をして同じように入試業務をするだろう。
昨年と同じように見えながら確実に違ってしまっている今日。
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◎世代を超えた普遍性映す
木俣冬
役者というものは、時代の縮図、ちょっとした年代記だ。
ハムレットの台詞にこういうものがある(訳:河合祥一郎)。
とすれば、蒼白の少年少女俳優が、2012年という時代を映し出す鏡だ。今回、『ハムレット』を上演するにあたり蜷川幸雄は、蒼白い顔をして表情に乏しく、何を考えているのかわからないとされる現代の若者たちだけで『ハムレット』をやることにした。
これまでのさいたまネクスト・シアター公演では、キャリアの長い俳優の客演によって大人の役をまかなっていたが、今回は1979年-92年生まれ、十代から三十代前半の劇団員のみで、年配者の役までやることに。
“さいたまネクスト・シアター 「2012年・蒼白の少年少女たちによる『ハムレット』」” の続きを読む
◎身の回りの「世界」
水牛健太郎
「村」を舞台にした芝居には二種類ある。リアルな劇と寓話劇だ。
とまあ大上段に構えたが、それだけ「村」というのは寓話劇の舞台になりやすい。人が少なく、それぞれの人が都会よりも明確な役割を持って生活している。それに、村の生活のことは、演劇の公演が行われる都会では、はっきり言って誰もよく知らない。突っ込んでいけば色々ディープな現実がありそうだが、それも含めて多少ファンタジーを乗っけても許されるのでは。
“カムヰヤッセン「バックギャモン・プレイヤード」” の続きを読む
第56回岸田國士戯曲賞(白水社主催)選考会が3月5日、東京・學士會館で開かれ、ノゾエ征爾「○○トアル風景」、藤田貴大「かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。」、矢内原美邦「前向き!タイモン」の3作が受賞と決まった。3作同時受賞は第27回(1983年)以来。このときは野田秀樹「野獣降臨」、山元清多「比置野ジャンバラヤ」、渡辺えり子「ゲゲゲのげ」が受賞した。
正賞は時計、副賞は二十万円。授賞式は4月26日午後6時から東京神楽坂・日本出版クラブ会館で開かれる。
選考委員の野田秀樹さんは主催の白水社を通じてコメントを発表し、「選考委員が一新されたこともあり、作風の異なる3作品を、めいめい推す声が強く、この結果です。ただ、この3作品に共通なのは、脱ドラマ性が強いことで、今後、ドラマ性の強い作品で良いものが出ることも期待します」と述べている。
>> 岸田國士戯曲賞のページ(白水社Webサイト)
“岸田賞はノゾエ征爾、藤田貴大、矢内原美邦の3氏” の続きを読む