今週号には新しい書き手が2人登場しました。「恋の渦」評を書いた松井さんは青年団の俳優として、2005年のニセS高原プロジェクトでポツドール組(三浦大輔演出)に出演しています。来春の青年団リンク「サンプル」旗揚げ公演の準備で忙しい中、執筆してもらいました。栂井さんは関西のレビューサイト「Culture Critic Clip 」で活躍していた方です。東京に転勤したのを機にお願いしました。ともにこれからも登場していただきたいと考えています。
「エジンバラ演劇祭2006」は今号に掲載した第7回で終了です。第10号(10月4日発行)から2か月余りの長丁場となりましたが、なんとか年内にフェスティバルの全貌を知ることができました。これほど詳しく、かついきいきとしたフェスティバルの記録は例がないのではないかと思います。本当にお疲れ様でした。
この年末合併号で今年は終わりです。年明けは1月10日発行の「ソウル市民」三部作特集でスタートします。ご期待ください。
週刊マガジン・ワンダーランド第22-23合併号発行
今週号には新しい書き手が2人登場しました。「恋の渦」評を書いた松井さんは青年団の俳優として、2005年のニセS高原プロジェクトでポツドール組(三浦大輔演出)に出演しています。来春の青年団リンク「サンプル」旗揚げ公演の準 … “週刊マガジン・ワンダーランド第22-23合併号発行” の続きを読む
流山児★事務所の『狂人教育』を観に行ったら、にわかには信じられないようなチラシが挟まっている。キャスト・戌井市郎、瓜生正美、中村哮夫、肝付兼太、本多一夫、高橋悠治。映像出演に観世榮夫、岩淵達治。箔つきの大御所ばかりではないか。この人々が高齢者劇団「パラダイス一座」を旗揚げし、山元清多のホンで共に12月、演出・流山児祥でスズナリの舞台に共に立つのだという。しかもチラシ写真と題字がアラーキー。美術は妹尾河童と書いてある。
超リアルなせりふや脱力的な身振りなどで知られる演劇ユニット「
本日の「ショー」会場は何と温泉施設内の大広間。障子戸を開けると意外にもなかは温室のようでガラス張りから冬の陽光が差込み、とはいっても中庭越しに否応無く目に飛び込んでくるのは酔っぱらったじいさんばあさんのまったりとした雑魚寝風景である。ダンスをアートとしてしつらえるなら排除するであろう、あらゆる猥雑さに満ちた寛大な空間。「携帯電話、アラーム付き時計など、その他音の出る機械はどうぞご自由にお使いください」とのアナウンスに始まり、横に長い舞台はもちろんカラオケ仕様、袖と舞台を区切るのはビロードの布などではもちろんなく、歌磨か何かがプリントされたひょろ長い暖簾である。
関西野外劇の雄として知られる劇団犯罪友の会は、今年で創立30周年だそうだ。私はこの集団を、アングラ演劇の最良の部分を継承し発展させている劇団だと考え、演劇批評家として一貫して評価し、支持し、応援してきた。今年10月に上演された『かしげ傘』は、「30周年超大作野外劇」と銘打たれているだけあって期待に違わぬ力作であったが、これを見ながら私は、もはや「アングラ」云々という文脈でこの集団の魅力を語る必要はなくなったのだな、とふと思った。「犯友」の芝居は、「犯友」の芝居以外のなにものでもなく、殊更に他の芝居との共通性を指摘したり、あるいは相違点を強調したり、といった、私自身がこれまでやってきた批評的な作業は、なんだかさかしらな営為に過ぎなかったような気がしてしまった。それほどに、この集団は、他の追随を許さぬ独自の魅力を備えた劇団として成熟しつつあることを、確認した次第である。