シンポジウム「武道の身体」

「日本における伝統的身体」を共通テーマに掲げた連続シンポジウムが9月15日午後3時から、東京の早稲田大学小野記念講堂で開かれます。取り上げるのは「武道の身体」。
昨年夏から始まった企画は第1回が「雅楽の身体」、第2回が「能の身体―構えと腰を中心に―」、第3回が「日本舞踊の身体-『舞曲扇林』にみる基本-」で、今度が第4回目で最終回。
講師は柳生新陰流第二十二世宗家、柳生耕一氏、司会は『ダンス・クリティーク-舞踊の現在/舞踊の身体』などの著書がある尼ヶ崎彬氏(演劇研究センター客員教授・学習院女子大学教授)。参加無料、事前予約も不要です。詳細は、早稲田大学演劇博物館21世紀COE演劇研究センターのwebサイトをご覧ください。

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TAKE IT EASY! 「葬儀屋オペラ」

◎「葬儀」は誰のため?  高木龍尋((大阪芸術大学大学院嘱託助手)  黒白のモノトーンの世界にいる「葬儀屋」と、華やかな世界(もちろん、探せば静かで地味なオペラもあるのだろうが)の「オペラ」……このふたつがどう繋がるのだ … “TAKE IT EASY! 「葬儀屋オペラ」” の続きを読む

◎「葬儀」は誰のため?
 高木龍尋((大阪芸術大学大学院嘱託助手)

 黒白のモノトーンの世界にいる「葬儀屋」と、華やかな世界(もちろん、探せば静かで地味なオペラもあるのだろうが)の「オペラ」……このふたつがどう繋がるのだろうか、と考えると不思議である。TAKE IT EASY! という神戸の劇団は作品を観る機会がこれまでなかったが、その存在は知っていた。タイトルはネットで見かけて知っていたが、チラシは見ていなかった。「葬儀屋オペラ」という不思議さに興味惹かれて観ることを決めた作品である。

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野田地図ロンドン公演 「The Bee」

◎”To bee or not to bee?” -戦略に満ちたロンドン進出第2作
今井克佳(東洋学園大学助教授)

プレビュー初日の開場時間は30分近く遅れ、開演は10分遅れた。たまたまロビーで話すことの出来た関係者からは、公式初日(プレスナイト)まではゲネプロのつもりで、毎日演出が変わると聞いたが、すぐにそれを実感した。直前まで演出プランが練られていたのであろう。

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トリプルクラウンプロデュース「彼岸島の不思議な夏」

◎私たちはどんな言葉を話しているのか……?  高木龍尋(大阪芸術大学大学院嘱託助手)  遠景に青い空と見事な入道雲、群青の海に緑の島がぽつんとある。その島には、白地に一輪の彼岸花が染め抜かれた巨大な旗が、島とはアンバラン … “トリプルクラウンプロデュース「彼岸島の不思議な夏」” の続きを読む

◎私たちはどんな言葉を話しているのか……?
 高木龍尋(大阪芸術大学大学院嘱託助手)

 遠景に青い空と見事な入道雲、群青の海に緑の島がぽつんとある。その島には、白地に一輪の彼岸花が染め抜かれた巨大な旗が、島とはアンバランスに掲げられている―というチラシである。「彼岸島の不思議な夏」というタイトルとこのチラシから予想できた世界、「彼岸島」という地名には何かオカルトホラー的なものを感じるし、「不思議な夏」からはメルヘンチックなものも感じる。探せばライトノベルと呼ばれる類の小説に見つかりそうな気もする。だが、完全にそうではないと言い切れないものの、この予想は見事に裏切られた。

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零式「返事」

◎「閉塞感」のない肩すかし 人物設定が凝りすぎか  小畑明日香 『半寝』で第24回新風舎出版文化賞出版化推薦作選出、 前作『ブリキ・ゴーレム』で2005年佐藤佐吉賞優秀脚本賞など、 多くの脚本賞を受賞している劇団零式の、 … “零式「返事」” の続きを読む

◎「閉塞感」のない肩すかし 人物設定が凝りすぎか
 小畑明日香

『半寝』で第24回新風舎出版文化賞出版化推薦作選出、
前作『ブリキ・ゴーレム』で2005年佐藤佐吉賞優秀脚本賞など、
多くの脚本賞を受賞している劇団零式の、最新作『返事』をついに見に行けた。
一昨年『半寝』のチラシを見てから気になっていた劇団だったので、
こまばアゴラ劇場での公演が決まってとても嬉しかった。
なっておくもんだ、劇場支援会員。

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週刊「マガジン・ワンダーランド」第4号

 週刊「マガジン・ワンダーランド」(第4号)が発行されました。主な内容は以下の通りです。 ◆ 野田地図ロンドン公演『The Bee』  ”To bee or not to bee” -戦略に満ちた … “週刊「マガジン・ワンダーランド」第4号” の続きを読む

 週刊「マガジン・ワンダーランド」(第4号)が発行されました。主な内容は以下の通りです。
◆ 野田地図ロンドン公演『The Bee』
 ”To bee or not to bee” -戦略に満ちたロンドン進出第2作
 今井克佳(東洋学園大学助教授)
◆トリプルクラウンプロデュース「彼岸島の不思議な夏」
 私たちはどんな言葉を話しているのか……?
 高木龍尋(大阪芸術大学大学院嘱託助手)
◆零式「返事」
 「閉塞感」のない肩すかし 人物設定が凝りすぎか
 小畑明日香

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写真を追加掲載 「TOKYOSCAPE」 と「会議」

「TOKYOSCAPE」(高野しのぶ、8月17日掲載) と「会議」(7月17日掲載)原稿に写真を追加掲載しました。TOKYOSCAPEの写真はいずれも筆者の高野さん撮影。雰囲気が出ています。「会議」の舞台は、石塚景子さんの撮影です。

ポかリン記憶舎「煙の行方」

◎「存在の演劇」というフィールド 新たな演劇の地平が立ち現れてきた  中西理(演劇コラムニスト)  1990年代半ば以降の日本現代演劇を振り返ると、群像会話劇の形式でその背後に隠れた人間関係や構造を提示する「関係性の演劇 … “ポかリン記憶舎「煙の行方」” の続きを読む

◎「存在の演劇」というフィールド 新たな演劇の地平が立ち現れてきた
 中西理(演劇コラムニスト)

 1990年代半ば以降の日本現代演劇を振り返ると、群像会話劇の形式でその背後に隠れた人間関係や構造を提示する「関係性の演劇」が大きな流れを作ってきた。平田オリザや岩松了、宮沢章夫らがその代表である。2000年以降それを凌ぐ大きな流れをつくっていくのが「存在の演劇」である。「舞台上の俳優ならびにその関係性が醸し出す空気をただ見せていく」というもので、明神慈もそのひとりである。

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reset-N『パンセ2006』

◎洗練されたスタイルの完成形 新しい展開の始まりを  小笠原幸介(Cut In 編集部)  reset-Nは、作・演出の夏井孝裕による重厚な脚本と、ステージデザイン、音響、照明等、スタイリッシュな舞台効果で注目を集める東 … “reset-N『パンセ2006』” の続きを読む

◎洗練されたスタイルの完成形 新しい展開の始まりを
 小笠原幸介(Cut In 編集部)

 reset-Nは、作・演出の夏井孝裕による重厚な脚本と、ステージデザイン、音響、照明等、スタイリッシュな舞台効果で注目を集める東京の劇団だ。今回上演の『パンセ』という作品は3年前に初演されたもので、今回はその改訂版の再演。そのプレビュー公演を見ることができた。

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TOKYOSCAPE

◎TOKYOSCAPEで、KYOTOトリップ!- 東京6劇団による同時多発公演 in 京都
高野しのぶ(「しのぶの演劇レビュー」主宰)

東京で個性的かつ精力的な活動を続けている6つの小劇場劇団が、京都の4つの会場で同時多発公演をおこないました。それがTOKYOSCAPE(トーキョー・スケープ)。小劇場観劇フリークの間ではこの夏、「京都、いつ行く?」「何と何を観る?」など、TOKYOSCAPEの話題で持ちきりでした。

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