【レクチャー三昧】3月10日

 スペイン・ゲルニカの爆撃による死者は300人であるとの説が有力と聞いています。いっぽう、1945年3月10日の東京大空襲の死者は10万人を数えるそうです。なのに前者のほうが有名なのは、ピカソの絵による、まさしく「芸術の力」なのでしょうか。
 東京都慰霊堂には、関東大震災被災者5万8千人ともに東京大空襲殉難者10万5千人の遺骨が納められています。建物自体の風格もあいまって、東京都内で「場所の記憶」をここほど感じるところは、他には靖国神社だけです。その中に立った時、再現表象の空しさを感ぜずにはおれませんでした。
 毎年3月10日・9月1日には後ろの扉が開き法要が営まれますが、ふだんも出入り自由です。両国駅からすぐです。(シアターΧの反対側です。)
(高橋楓)
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演劇教育の先端で何が起きているのか-いわき総合高校の試み(後編)

 土佐有明

 前編では、今年で10年目を迎えるいわき総合高校の演劇教育の軌跡を辿り、濃密な演劇の授業を体験している生徒たちが、必ずしも役者や劇作家を志しているわけではない、という事実を最後に指摘した。卒業後に演劇を続ける生徒はおよそ2割から3割程度。<あくまでも、10代後半の多感な2年間に、学校の授業の一環として演劇に取り組むという特殊な状況が、彼ら/彼女らの演技の特殊な質感と深く相関しているのではないだろうか。>と、最後に締め括った。後編ではこの、演技の“特殊な質感”についてもう少し仔細に検証してみよう。
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【レクチャー三昧】芸能祭二題

 申込は既に締め切られていますので本文には載せませんでしたが、毎年2月には「国際民俗芸能フェスティバル」と「地域伝統芸能まつり」が開催されており、けっこうな見物です。ご興味ある方は、来年1月のお申込をお忘れなくどうぞ。
(高橋楓)
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演劇教育の先端で何が起きているのか-いわき総合高校の試み(前編)

 土佐有明

 福島県に、いわき総合高等学校という、演劇教育に力を注いでいる県立高校がある。02年に普通高校から総合学科へ鞍替えした同校は、特色ある学校づくりを目指し、選択科目に演劇の授業を導入。演劇を専門に指導する教諭(=ドラマティーチャー)ふたりを擁し、これまでに、前田司郎、柴幸男、多田淳之介、江本純子といった演出家を迎えてワークショップや公演を行っている。そして、そんな高校生たちのつくる演劇に、僕は去年から、周囲が呆れてしまうほど夢中になっている。公演や稽古を観る為に、現地に足を運ぶこと計4回。その度に、東北の片隅にまばゆい鉱脈のような“現場”を発見してしまった、という熱狂と興奮が湧き上がってくる。そこには、他の高校演劇や、東京の小劇場界では滅多に得られることのない“表現の原点”が、確かにあった。
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Port-B「個室都市 京都」

◎環境の演劇
 高橋宏幸

 「環境」という言葉が流行している。エコロジーという言葉などは、そこから派生した代表的なものだろう。実際、最近ではエコ・クリティシズムという言葉も輸入されつつあり、批評や作品を作る際のタームの一つになりそうな雰囲気もある。むろん、環境についての現代的な視野は、なにもいまに始まったことではない。日本では公害問題を発端として、60年代以後の学生運動期に於ける自主ゼミなどが挙げられるように、それは演劇の動向がラディカルに問い直された時期と同時代性がある。そこに、リチャード・シェクナーの「環境演劇」という言葉を挙げてもいい。
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第七劇場「かもめ」

◎かもめ・五幕-非日常の中の日常を描く-
 高倉麻耶

第七劇場「かもめ」公演チラシ 鳴海康平氏が構成・演出・美術を担当する第七劇場の「かもめ」については、知人から噂が聞こえてきて、ずっと気になっていた。残念ながら名古屋・千種文化小劇場(ちくさ座)での公演を見逃してしまったのだが、幸いにして、三重県文化会館で再演されるという情報を得、近鉄に揺られて真冬の津駅へ向かった次第である。
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【レクチャー三昧】謹賀新年

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 1月は大学主催の講座は少なめですが、休み明けに告示が出るものもあるかもしれません。【レクチャー三昧】カレンダー版を適宜ご覧下さい。(高橋楓)
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3人で語る「来月はコレがお薦め!」を振り返って(最終回)

 カトリヒデトシ+鈴木励滋+徳永京子

―このコーナーでは、みなさんに、三人三様の見方で、翌月の舞台を各3本ずつ薦めていただきました。残念ではありますが、これをもって最終回とさせていただきたいと思います。1年間、どうも有難うございました。今回は、この1年を振り返り、お薦め作品が実際に上演されてどんな感想をもたれたかなどを中心にお聞かせください。

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3人で語る「2010年12月はコレがお薦め!」

「イメチェン」公演チラシカトリヒデトシさんのお薦め
国道五十八号戦線「国道五十八号戦線異常ナシ」「国道五十八号戦線異常アリ」(サンモールスタジオ12月8日~13日)
北京蝶々×黒澤世莉(時間堂)「あなたの部品リライト」(ギャラリー・ルデコ12月14日~19日)
はえぎわ「ガラパコス」(こまばアゴラ劇場12月17日~29日)
鈴木励滋さんのお薦め
・「忠臣蔵フェア」(川崎市アートセンター12月9日~12日)
・「横浜ダンス界隈」(横浜 日本大通り周辺12月5日)
・「阿部一徳のちょっといい話してあげる『異形の愛 GEEK LOVE』」(MAREBITO12月17日~19日)
徳永京子さんのお薦め
劇26.25団「可愛い怪物」(下北沢駅前劇場12月24日~29日)
・ネクストシアター「美しきものの伝説」(彩の国さいたま芸術劇場12月16日~26日)
・猫のホテル「イメチェン」(ザ・スズナリ12月16日~29日)

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