◎「劇は使える」という限定解除 ―『2013使えるプログラム記録集』から
柳沢望

国内でフェスティバル/トーキョーに次ぐ規模とも言われている京都国際舞台芸術祭(KYOTO EXPERIMENT)だが、そのフリンジ企画として、昨年に引き続き、「使えるプログラム」が今年も実施される(注1)。
そのプログラムディレクターは「けのび」と名乗るグループの活動を積み重ねて来た実績はあるものの、まだ作家として評価が定まっていたとは言えない羽鳥嘉郎だ。むしろ、この20代の若手作家の評価は、KYOTO EXPERIMENTによる起用によって方向付けられたと言うべきかもしれない。その判断には、舞台芸術の未来に向けて舞台をめぐる状況を更新し続けるべきだという認識があっただろう。
(注1)「表象文化論学会ニューズレター〈REPRE〉20」の江口 正登「『使えるプログラム』のこと―『インストラクション』としての上演」参照。
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宮森さつきの脚本による『F』は未来社会を舞台にしたSF仕立ての二人芝居で、設定上、ある少女とその世話をするアンドロイドがホテルの一室のような場所にほとんど閉じこもって過ごす一年に満たない日々を、四季をたどる四つのシーンで描いていく。設定の突飛さを除くと、アンドロイドと少女二人の会話によって描かれていくシーンは、ごく日常的な情景と言っていい。今回の初演では、端田新菜が少女を演じ、多田淳之介がアンドロイドを演じた。演出は木崎友紀子。
東京デスロックを主宰する多田淳之介が演出し、韓国人俳優たちと作り上げた『ROMEO & JULIET』KOREA ver.を見た。これは、韓国で制作されて評判を呼び、再演もされた舞台作品の「キラリ☆ふじみ」上演版だ。多田淳之介は埼玉県富士見市の公共劇場「キラリ☆ふじみ」の次の芸術監督に決まっている。今回の上演は、いわばそのお披露目的な意味合いもあるのだろう。
今年の5月から、移動テントで全国各地をツアーしている劇団どくんごによる舞台作品「ただちに犬 Deluxe」。その、埼玉(浦和美園)での公演を見た(9月20日)。私などは、テント芝居なんて聞くと、一昔前のものという風に思ってしまいがちだけれど、移動するという条件において研ぎ澄まされるものもあるのだ、と直に見せつけられた感じだ。