青年団「砂と兵隊」

◎軍と市民は砂漠の中で対等だった
 小林幸雄

「砂と兵隊」公演チラシ 「砂と兵隊」を見た。劇場に入ると、砂づくし。舞台は一面に白砂があり、向かって左手奥の天井から吊下げられた袋から砂が滑り落ちている。見るものに砂の質感がしっかり伝わってくる。そして客にマスクと飴を配布している。乾燥しますと言いながら。砂を過剰に意識させようという目論見か。
 そのような仕掛けは、登場する日本の兵隊が水を飲む場面で、その兵の渇きを強く共感させる。本当にうまそうだったし、まさに砂漠は乾燥しているのだと納得させた。その砂漠で何が起きるか。
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テレビで見る演劇(~11月末)

 フェスティバル/トーキョー10で、新作「迷子になるわ」を上演する五反田団。11月12日に、「さようなら僕の小さな名声」が放映されます。2006年にこまばアゴラ劇場で初演された作品ですが、放映されるのは2008年の再演時のもの。初演当時、岸田戯曲賞に2度もノミネートされながら受賞を逸していた作・演出の前田司郎が、本人役で登場。岸田賞を2つももらってしまって、1つを恵まれない国の人に上げにいくという、独特の不思議ワールドが展開されます。ワンダーランドにも、2007年1月に、柳澤望さんの劇評が掲載されています。
 12日と21日放映のハイビジョン特集「劇団新感線 歌舞き続ける集団の30年」では、結成30年を迎えた新感線の公演製作の様子とこれまでの歩みをたどります。
(場合により、番組内容、放送日時などが変更になることがあります。また、地上波デジタル放送の番組表は関東地区のもので、地域により一部番組が異なります)
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初日レビュー2010 第4回 コマツ企画「どうじょう」

コマツ企画「どうじょう」公演チラシ 「初日レビュー2010」第4回は、コマツ企画の現代劇「どうじょう」を取り上げます。コマツ企画公演は今年になって三作目。毎回違った素材を巧みな手法と凝った仕掛けで観客に見せてきましたが、今回はさて…。以下、8人の五つ星評価と400字レビューをどうぞ。掲載は到着順。(編集部)
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「初日レビュー2010」今週はイキウメ!

 「初日レビュー2010」、五回目は今週金曜日の29日にシアタートラムで初日を迎えるイキウメ「図書館的人生Vol.3 食べもの連鎖」を取り上げます。作・演出の前川知大さんは近年様々な演劇賞を受けており、注目度も高まる一方です。「図書館的人生」は短編集のシリーズで、今週の「お薦め」鼎談でも取り上げられています。
 土曜日の30日にワンダーランドのウエブサイトをチェックしてみてください。初日公演をレビュアーが星5つ満点の採点付きで評価します。お楽しみに!(ワンダーランド編集長 水牛健太郎)

演戯団コリペ「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」

◎歴史や伝統見る目も
 西村博子

 久しぶりに“演戯”を堪能した。狭く、今にもずり落ちてしまいそうに床も壁も傾いた屋根裏部屋(美術李潤澤)。そこに働くことを拒んで住んでいる、ボス格の男1(金哲永)と、折あらば取って代わろうとする男2(洪旻秀)、強い方にゴマをすり少しでも得しようとする男3(趙承熙)、何かというと殴られいじめられる男4(金鎬尹)。それに、近所のバーの女で、のち床下の木の根から出現してくる、この家を代々護ってきたオモニのような女神(金志炫)に、ジャンジャン麺の出前(千石琦)。一人ひとりが見ていてほんと楽しく、ゲネと二日目と三日目、3回見ても見飽きなかった。リアルを基調とした男4人の真剣な、だからこそ笑えてしまう演技に対して、麺を配達してきた出前・千石琦の、次第に大きくなっていく身振りは、何と言ったらいいだろう、歌舞伎の荒事みたいに様式化されていて、岡持ちにふんぞり返って大仰に読み上げる注文メモなど、まるで、家取り壊しの強制執行言い渡しだった。
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初日レビュー2010 第3回 ハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」

「グロリア」公演チラシ 9月から始まった新企画「初日レビュー2010」、3回目は10月14日に下北沢「劇」小劇場で初日を迎えたハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」です。サスペンデッズの主宰早船聡さんの作・演出で太平洋戦争時の風船爆弾を巡る物語が展開します。7人の評者による5つ星評価と400字レビューをお読みください。掲載は到着順です。(編集部)
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演戯団コリペ「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」

◎観客に感染するエネルギー
 鈴木アツト

 新宿の小劇場タイニイアリスが韓国から演戯団コリペを招いて「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」を上演した。僕は昨年末の訪韓の際、大変お世話になった劇団なので(韓国演劇見学記をご参照のこと)、その恩返しをしたかったのと、昨年8月にタイニイアリスで上演された「授業」(作=イヨネスコ、演出=李潤澤)がとても素晴らしい作品だったので、この劇団を自分の周りの演劇ファンに紹介したいと強く思い、日本側のスタッフとして関わった。
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「初日レビュー2010」10月はハイリンド×サスペンデッズとコマツ企画

 9月から始まった新企画「初日レビュー2010」、三回目は14日に下北沢「劇」小劇場で初日を迎えるハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」です。サスペンデッズの主宰早船聡さんの作・演出で太平洋戦争時の風船爆弾を巡る物語が展開します。15日、ワンダーランドのウエブサイトをチェック! 初日公演をレビュアーが星5つ満点の採点付きで評価します。お楽しみに!
 さらに四回目として、今月23日に同じく下北沢OFF・OFFシアターで初日を迎えるコマツ企画「どうじょう」を取り上げます。小松美睦瑠さん主宰で定評を得つつある劇団です。どうぞご期待ください。(ワンダーランド編集長 水牛健太郎)

サイトを全面リニューアル

 ワンダーランドサイトが新しくなりました。サーバーを移転し、ブログソフトを変え、デザインも変わりました。2005年11月以来5年ぶりの全面リニューアルです。

 構成や形式はほぼ従来通りですが、もっとも変わったのは、執筆者一覧が50音順になったことでしょう。従来の登場順は分かりにくいという不評だったのでだいぶ整理されたはずです。また初日レビューや連載企画をカテゴリーとして独立させました。左メニューの該当項目をクリックすると、一覧表示されるはずです。

 内部の記事やリンクなどで不備があるかもしれません。どしどしご指摘ください。できるだけ速やかに対応します。

2010年10月12日
小劇場レビューマガジン ワンダーランド
http://www.wonderlands.jp/
info@wonderlands.jp

MU×ミナモザ×鵺的「視点 vol.1 Re:TRANS」

◎見ごたえあった短編コンペ
 水牛健太郎

「視点 vol.1 Re:TRANS」公演チラシ
「視点 vol.1 Re:TRANS」公演チラシ

 短編をいくつかの劇団が持ちより、コンペ形式で上演するという、MU主宰のハセガワアユムによる企画の第一回目。今回参加した三劇団(MUのほかに、高木登主宰の鵺的、瀬戸山美咲主宰のミナモザ)は、カトリヒデトシ氏の三分類に言うところの「を」派(完成したテキストを元に上演する、ほぼ戯曲=作家中心主義と言ってよい形態)に属する劇団で、主宰が作・演出を兼ね、出演はしないという共通点がある。だから、主宰がまずは戯曲の完成度を高め、しかるのちに演出で自分の中にある像を実現しようと努める…という作業工程が見えやすく、また各俳優の仕事も、「役」というものを基準にそれをいかに表現したかという形で捕らえやすい。
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