世田谷パブリックシアター「モリー・スウィーニー」

◎端正に、人懐こく、予想外の仕掛けで形に
 徳永京子

「モリー・スウィーニー」公演チラシ 世田谷パブリックシアターという大きな劇場を使いこなせるつくり手を、劇場自らの手で発掘・育成しようという世田パブの取り組みは、同じ08年に「ネクスト・ジェネレーション」と「日本語を読む」の2つの企画をスタートさせたことで、地道ではあるが大きな歩みをスタートさせた。脚本の完成度を主な選考基準とし、若手の団体を対象とする「ネクスト・ジェネレーション」。前者の卒業生、あるいはそれに近い活動年数を持つ演出家に、劇場サイドが指定した戯曲で演出手腕を奮ってもらうリーディング「日本語を読む」。この2本で、若手と準若手、劇作力と演出力のいずれをもカバーできるからだ。
“世田谷パブリックシアター「モリー・スウィーニー」” の続きを読む


3人で語る「来月はコレがお薦め!」を振り返って(最終回)

 カトリヒデトシ+鈴木励滋+徳永京子

―このコーナーでは、みなさんに、三人三様の見方で、翌月の舞台を各3本ずつ薦めていただきました。残念ではありますが、これをもって最終回とさせていただきたいと思います。1年間、どうも有難うございました。今回は、この1年を振り返り、お薦め作品が実際に上演されてどんな感想をもたれたかなどを中心にお聞かせください。

“3人で語る「来月はコレがお薦め!」を振り返って(最終回)” の続きを読む


3人で語る「2010年12月はコレがお薦め!」

「イメチェン」公演チラシカトリヒデトシさんのお薦め
国道五十八号戦線「国道五十八号戦線異常ナシ」「国道五十八号戦線異常アリ」(サンモールスタジオ12月8日~13日)
北京蝶々×黒澤世莉(時間堂)「あなたの部品リライト」(ギャラリー・ルデコ12月14日~19日)
はえぎわ「ガラパコス」(こまばアゴラ劇場12月17日~29日)
鈴木励滋さんのお薦め
・「忠臣蔵フェア」(川崎市アートセンター12月9日~12日)
・「横浜ダンス界隈」(横浜 日本大通り周辺12月5日)
・「阿部一徳のちょっといい話してあげる『異形の愛 GEEK LOVE』」(MAREBITO12月17日~19日)
徳永京子さんのお薦め
劇26.25団「可愛い怪物」(下北沢駅前劇場12月24日~29日)
・ネクストシアター「美しきものの伝説」(彩の国さいたま芸術劇場12月16日~26日)
・猫のホテル「イメチェン」(ザ・スズナリ12月16日~29日)

“3人で語る「2010年12月はコレがお薦め!」” の続きを読む


3人で語る「2010年11月はコレがお薦め!」

http://www.wonderlands.jp/wp-admin/media-upload.php?type=image&tab=library&post_id=16233&post_mime_type=&s=suzuki&m=0#

「月と牛の耳」公演チラシ
「月と牛の耳」公演チラシ

カトリヒデトシさんのお薦め
劇団競泳水着「りんごりらっぱんつ」(サンモールスタジオ11月12日‐23日)
イキウメ「図書館的人生Vol.3」(シアタートラム10月29日‐11月7日、HEP HALL11月16日~20日、アステールプラザ11月12日、西鉄ホール11月23日)
渡辺源四郎商店×東京デスロックカンパニー「月と牛の耳」(11月19日‐23日アトリエ・グリーンパーク、12月3日‐5日富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ

鈴木励滋さんのお薦め
dracom「事件母」(シアターグリーンBOX in BOX THEATER11月18日‐21日)F/T10
岡崎藝術座「古いクーラー」(シアターグリーンBIG TREE THEATER11月19日‐28日)F/T10
FUKAI PURODUCE羽衣「も字たち」(新宿ゴールデン街劇場11月9日‐25日)

徳永京子さんのお薦め
・生活舞踏工作室「メモリー」(にしすがも創造舎11月26日‐28日)F/T10
・「DRAMATHOLOGY/ドラマソロジー」(東京芸術劇場11月26日-28日)F/T10
マームとジプシー「ハロースクール、バイバイ」(シアターグリーンBASE THEATER 11月24日-28日)F/T10

“3人で語る「2010年11月はコレがお薦め!」” の続きを読む


3人で語る「2010年10月はコレがお薦め!」

「長短調(または眺(なが)め身近(みぢか)め)」公演チラシ
「長短調(または眺(なが)め身近(みぢか)め)」公演チラシ

★カトリヒデトシさんのお薦め
・Kermit Office Presents「て、に、を、は、がおかしい。」(Artist Space
千石空房
10月8日‐10日)
遊園地再生事業団「ジャパニーズ・スリーピング 世界でいちばん眠い場所」(座・高円寺10月15日‐24日)
★鈴木励滋さんのお薦め
まことクラヴ「事情地域ヨコハマ」(象の鼻テラス10月13日‐16日)
KENTARO!!「僕はまた今日も未完成の音楽で唄う」(こまばアゴラ劇場10月14日‐24日)
・身体地図/岩渕貞太「UNTITLED」(STスポット10月14日‐16日)
★徳永京子さんのお薦め
・あうるすぽっとプロデュース「長短調(または眺(なが)め身近(みぢか)め)」(あうるすぽっと9月30日‐10月3日)
カンパニーデラシネラ「異邦人」(シアタートラム10月7日-13日)
城山羊の会プロデュース「微笑の壁」(ザ・スズナリ10月22日-31日)

“3人で語る「2010年10月はコレがお薦め!」” の続きを読む


3人で語る「2010年9月はコレがお薦め!」

鳥公園「乳水」公演チラシ

★カトリヒデトシさんのお薦め・KUNIO 07「文化祭」(こまばアゴラ劇場9月3日‐6日)
・ゲキバカ「ワイルドターキー」(東京芸術劇場9月23日‐26日)
トリプル3演劇ワリカンネットワーク 南河内万歳一座「あらし」(すばるホール9月25日・26日)
★鈴木励滋さんのお薦め
劇団山の手事情社「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」(アサヒ・アートスクエア9月2日‐12日)
・「ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010」(王子小劇場・裏9月10日‐20日)
鳥公園「乳水」(日暮里d‐倉庫9月23日‐26日)
★徳永京子さんのお薦め
・さいたまゴールドシアター「聖地」(彩の国さいたま芸術劇場9月14日‐26日)
ナイロン100℃ Side Session「亀の気配」(サンモールスタジオ9月15日-20日)
・M&Oplays+PPPPプロデュース「」(本多劇場9月16日-26日、シアター・ドラマシティ9月29日)

“3人で語る「2010年9月はコレがお薦め!」” の続きを読む


3人で語る「2010年8月はコレがお薦め!」

★カトリヒデトシさんのお薦め

「2001-2010年宇宙の旅」公演チラシ東京デスロック「2001-2010年宇宙の旅」(キラリ☆ふじみ 水の広場 特設野外ステージ8月4日‐8日)
・平田オリザ+石黒浩研究室(大阪大学)「ロボット版『森の奥』」(愛知芸術文化センター8月21日-24日)
・「墨東まち見世2010『墨田区在住アトレウス家 Part1』」(旧アトレウス家7月31日・8月1日)
★鈴木励滋さんのお薦め
東野祥子ソロダンス「私はそそられる-Inside Woman」(世田谷美術館 くぬぎ広場7月31日-8月1日)
金魚(鈴木ユキオ)「HEAR」(金沢21世紀美術館シアター21 8月21日・22日)
セレノグラフィカ「グレナチュール-横濱番外地」(横浜美術館レクチャーホール8月7日)
★徳永京子さんのお薦め
快快[faifai]×B-Floor「Spicy,Sour,and Sweet」(東京芸術劇場8月13日~15日)
・彩の国ファミリーシアター「音楽劇『ガラスの仮面-二人のヘレン-』」(彩の国さいたま芸術劇場8月11日‐27日)
真心一座 身も心も「流れ姉妹 たつことかつこ 第一章再演」(TOKYO FMホール8月19日~28日)

“3人で語る「2010年8月はコレがお薦め!」” の続きを読む


ワンダーランド200号記念鼎談「2010年、超新星は小劇場を更新するか?」(後半)

徳永京子(演劇ジャーナリスト)× 藤原ちから(編集者)× 日夏ユタカ(ライター) (発言順)

■イケメンと可愛い女の子が小劇場を変える?

徳永京子さん徳永 いきなり余談なんですけど、昔、ある演劇の本の帯に載っていた著者の顔写真にがっかりしたことがあって。もしそれが、表が三浦大輔で裏が多田淳之介だったら…(笑)。「演劇、いいかも?」って思った人は確実に増えるのにとその時は思いました。

“ワンダーランド200号記念鼎談「2010年、超新星は小劇場を更新するか?」(後半)” の続きを読む


ワンダーランド200号記念鼎談「2010年、超新星は小劇場を更新するか?」(前半)

徳永京子(演劇ジャーナリスト)× 藤原ちから(編集者)× 日夏ユタカ(ライター) (発言順)

ロロ「旅、旅旅」公演チラシ■今回取り上げる劇団・作品
ロロ旅、旅旅』作・演出:三浦直之 @王子小劇場
マームとジプシー『しゃぼんのころ』作・演出:藤田貴大 @STスポット
バナナ学園純情乙女組『アタシが一番愛してる』作:月並ハイジ 演出:二階堂瞳子 @ART THEATERかもめ座
ジエン社『クセナキスキス』作・演出:作者本介 @日暮里d倉庫

“ワンダーランド200号記念鼎談「2010年、超新星は小劇場を更新するか?」(前半)” の続きを読む


マームとジプシー「しゃぼんのころ」

◎震えと揺れが引き起こす、舞台上の遠景。
徳永京子

「しゃぼんのころ」公演チラシ
「しゃぼんのころ」公演チラシ

おそらく劇場を持った瞬間に、演劇は“遠景”を捨てたのだと思う。世界一巨大な劇場に出現する奥行きも、簡素な野外劇のテントから図らずも見えてしまった空がもたらす、一瞬の目眩にはかなわない。そう、遠景とは目眩だ。確かに“ここ”とつながっている/いたけれど、決定的に遥かな“あの場所”。時間を好き勝手に伸び縮みさせる演劇の暴挙と偉大な自由も、神聖な“あの場所”の前では嘘っぽさが目立ってしまい、劇場の中で演出家は、遠景に永遠の片思いをしてきた。

“マームとジプシー「しゃぼんのころ」” の続きを読む