◎この舞台はちょっと凄いぞ 身体表現の新次元を開示
藤原央登
結論から言えばこの舞台はちょっと凄いぞというのが観劇後の率直な感想である。とにかく何はなくともそれだけは言っておきたい。これまで人間の不確かな存在を「死」という命題に照射させて表現してきたのが前田司郎だが、本作は登場人物がただ死んでいき、舞台上に累々と死体が増えていくという「死」そのものを描いた作品である。身体表現の新奇な領域を開示したという点で、そして前田司郎がやろうとしていることの一旦を垣間見ることができたという点でもこの作品は以後ターニングポイントとして記憶されてしかるべき公演である。
劇団から送られてきたDMの手触りと質感で「匂い」を思い出した。「ニセS高原から」では本家本元の脚本から全てのキャストの男女を入れ替えた演出が話題になっていたが、どうやら頭で覚えていた情報と肌で覚えていた感覚は違うらしい。作品中に出てきたスイカ、夏みかん、ブルーベリーを含め、皮をむくと瑞々しさが溢れ出すような台詞やしぐさに五感を刺激されていた部分が大きかったようだ。いまだ本公演を拝見したことがなかった私は、その「匂い」を確かめるために、今回劇場に足を運んでみることにした。
公演が終わって2カ月もたってからの紹介は気が引けるのですが、まあご勘弁願って、ポツドール特別企画「女のみち」を取り上げます。三浦大輔作・演出の本公演(本番!)も意見が分かれますが(例えば「