◎奔放な想像力、「オイディプス王」の物語が背骨
水牛健太郎
にしすがも創造舎の劇場は、もともと中学校の体育館だ。がらんとした広さをそのままに、左奥の隅には白いプラスチックの大きな植木鉢がいくつも置かれ、そこから緑のツルが周り回廊の柵にまで伸びていた。持ち主に捨てられたかのような寂しさと、裏腹のたくましさ。右奥の隅にはブルーシートが何枚も、床から周り回廊の上あたりまで覆い、その中にはたぶん足場が組まれている。周囲には立ち入りを阻む黄色いテープとレッドコーン。これもセットなのだろうが、実際に補修工事か何かをしていても違和感はない感じ。全体の印象は、よく計算された雑然さ。
“サンプル「永い遠足」” の続きを読む