徳永京子(演劇ジャーナリスト)× 藤原ちから(編集者)× 日夏ユタカ(ライター) (発言順)
■今回取り上げる劇団・作品ロロ『旅、旅旅』作・演出:三浦直之 @王子小劇場
マームとジプシー『しゃぼんのころ』作・演出:藤田貴大 @STスポット
バナナ学園純情乙女組『アタシが一番愛してる』作:月並ハイジ 演出:二階堂瞳子 @ART THEATERかもめ座
ジエン社『クセナキスキス』作・演出:作者本介 @日暮里d倉庫
小劇場レビューマガジン
徳永京子(演劇ジャーナリスト)× 藤原ちから(編集者)× 日夏ユタカ(ライター) (発言順)
■今回取り上げる劇団・作品◎ホンモノを構成する重要なソーントン・ワイルダーのニセモノに東京で出会う
髙橋英之
ホンモノに出会う旅は、必ずニセモノから始まってしまう。それは、ホンモノであるがゆえに、数多のニセモノが登場してしまうためだが、そのニセモノの中には時として単なる偽物として切って捨てることができない存在になってしまうものがある。『寝台特急“君のいるところ”号』がそうしたニセモノのひとつであるかどうかは、こまばアゴラの席に着いた時は知る由もなかった。不幸にして、中野成樹+フランケンズという名前も、ソーントン・ワイルダーという名前も、全く知らなかったのだから。
◎震えと揺れが引き起こす、舞台上の遠景。
徳永京子

おそらく劇場を持った瞬間に、演劇は“遠景”を捨てたのだと思う。世界一巨大な劇場に出現する奥行きも、簡素な野外劇のテントから図らずも見えてしまった空がもたらす、一瞬の目眩にはかなわない。そう、遠景とは目眩だ。確かに“ここ”とつながっている/いたけれど、決定的に遥かな“あの場所”。時間を好き勝手に伸び縮みさせる演劇の暴挙と偉大な自由も、神聖な“あの場所”の前では嘘っぽさが目立ってしまい、劇場の中で演出家は、遠景に永遠の片思いをしてきた。

・「吾妻橋ダンスクロッシング」(アサヒ・アートスクエア7月16日‐18日)7月中旬より各大学は夏休みに入り、無料講座は少なめです。当【レクチャー三昧】では、「一般」成人向けイヴェントに絞ってご紹介しておりますが、検索をしておりますと、自治体主催の子ども向け夏休み体験講座がそこここに見受けられ … “【レクチャー三昧】夏休み” の続きを読む
7月中旬より各大学は夏休みに入り、無料講座は少なめです。当【レクチャー三昧】では、「一般」成人向けイヴェントに絞ってご紹介しておりますが、検索をしておりますと、自治体主催の子ども向け夏休み体験講座がそこここに見受けられます。お子さんをだしにして(?)ご自分も楽しまれる、という手もありではないでしょうか。
(高橋楓)
◎沈黙する神に向かって語りかける-待つこと
竹重伸一
この舞台は観客と共に、決して応答することのない沈黙する神に向かっても語りかけているように思えた。その意味ではDA・Mの仕事はS・ベケットの『ゴドーを待ちながら』に連なるものかもしれない。二年前の前作『Random Glimpses/でたらめなわけ』では映像や大量の椅子を使ったりしてまだスペクタクルな要素を多分に残していたが、今作はパフォーマーの肉体と空間との関係にフォーカスを絞ってよりシンプルでフラットな作品になった。そしてパフォーマーの動きも、特に前作では過剰な情念を感じさせた中島彰宏のパフォーマンスの変化がよく示しているように、よりニュートラルでイリュージョンや意味性を排除したものになっている。
★カトリヒデトシさんのお薦め今月のお薦めイヴェントは、なんといっても「追悼ピナ・バウシュ」@ドイツ文化会館、および「ダムタイプ ヴィデオ上映会」@ICCシアターでしょう。ダムタイプの古橋悌二氏はもとより、ピナ・バウシュ氏も彼岸の人となりました。し … “【レクチャー三昧】6月のお薦め” の続きを読む
今月のお薦めイヴェントは、なんといっても「追悼ピナ・バウシュ」@ドイツ文化会館、および「ダムタイプ ヴィデオ上映会」@ICCシアターでしょう。ダムタイプの古橋悌二氏はもとより、ピナ・バウシュ氏も彼岸の人となりました。しかし、いたましくもその作品は、生き残っている我々に<希望>を与え続けてくれています。
(高橋楓)
◎寒さと孤独、そして「ヨブ記」
鼎談(芦沢みどり、田口アヤコ、北嶋孝)
芦沢 今回のCOLLOLの公演『このままでそのままであのままでかみさま』について、最初に編集部からいただいたのは劇評を書かないかと言う話だったんですが、今回の作品は非常に色々な要素があるので、一人で書くよりは、鼎談にした方がいいと思ったんです。鼎談というより、私と北嶋さんが田口さんに質問する場になってしまうかと思うのですが。まずは会場のBankART Studio NYKですが、3月28日の夜、本当に寒くて使い捨てカイロを渡されて。その印象が強い。だだっぴろい横長の倉庫ですね。それでまずお聞きしたいのは、場所が先にあって、それに合わせて作品を作ったのか、それとも作品が先なんでしょうか。
・チェルフィッチュ「ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」(ラフォーレミュージアム原宿、5月7日-19日)