◎近代が生み出す光と闇の構図
水牛健太郎(評論家)
近代とは光であり、近代化とは明るくなることだ。近代へと人々を導く「啓蒙」を意味する英語(enlightenment)は直訳すると「明るくすること」という意味だが、それは単に比喩ではない。地球を人工衛星から撮影すると、北米、欧州、日本は、夜でも人工の照明でまぶしいほどに輝く一方、サハラ砂漠やアマゾン川流域は、深い闇の中に沈んでいる。韓国は明るいが、38度線の北は暗い。経済発展が続く中国の沿岸部やインドにはうっすらと光の網が広がり、徐々に輝きを増している。