初日レビュー2010 第1回 サンプル「自慢の息子」

「自慢の息子」公演チラシ
「自慢の息子」公演チラシ

 ワンダーランドの「初日レビュー2010」第1回をお届けします。
 公演初日の舞台を見てレビューを掲載するのは、ワンダーランド創設以来の懸案でした。万端の準備が整ったわけではありませんが、評者の方々の協力を得てとりあえず年内は続けたいと思います。
 第1回は、松井周主宰のサンプル公演「自慢の息子」です。岸田國士戯曲賞にノミネートされ、戯曲が海外でも翻訳される期待の劇作家、演出家の手による公演は、新しい演劇の可能性を探り、多様な試みを取り上げてきたワンダーランドの「初日レビュー」企画にふさわしい門出だと思います。 レビューは、★印の5段階評価+400字。到着順に掲載します。(編集部)

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平田オリザ+石黒浩研究室(大阪大学)「ロボット版 森の奥」

◎ロボット演劇 感心と感動のあいだに
 鳩羽風子

「ロボット版 森の奥」公演チラシ
「ロボット版 森の奥」公演チラシ

 「ロボット」という新語がチェコの作家、カレル・チャペックの戯曲「R.U.R」で生まれてからちょうど90年後。ロボットと人間が共演する舞台「ロボット版・森の奥」が8月、世界で初めて劇場公開された。名古屋市で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の開幕を華々しく飾り、新聞やテレビ、雑誌などでも大々的に報道された。
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連載「芸術創造環境はいま-小劇場の現場から」 第2回

笠原玲子さん(ポケットスクエア支配人)
◎「貸小屋」のプライドとやりがい

 中野駅南口から徒歩5分。4つの劇場が集まったポケットスクエアは、私企業が経営する小劇場群としては、下北沢の本多グループに次ぐ規模のものと言えます。数多くの劇団に舞台を提供しながら、経営者の素顔はよく知られているとは言えません。支配人の笠原玲子さんに演劇への思いや劇場経営の実情、劇場法案(仮称)について感じることなどをうかがいました。(編集部)

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「初日レビュー」を始めます

 ワンダーランドでは新企画として、公演初日を対象にレビュー、翌日ウエブに掲載する「初日レビュー2010」を始めます。始まったばかりの公演について評価を下すという、ワンダーランドとしては初めての試みです。3人以上のレビュアーが星5つ満点の評価付きでレビューします。まずは年内いっぱいの期間限定、月1~2回掲載の予定です。
 記念すべき第一回は9月15日に初日を迎えるサンプル「自慢の息子」を取り上げます。世界的に注目を集める鬼才松井周の最新作です。レビューは翌16日中にワンダーランドのサイト(http://www.wonderlands.jp/)に掲載されます。どうぞご期待ください。
(ワンダーランド編集長 水牛健太郎)

シアター・リフレクション「箱とジョージさん」

◎ 人形たちの映し出すもの
 柾木博行

「箱とジョージさん」公演から
撮影=神崎千尋

 演劇関係者が集まると必ず出る言葉が「最近面白い舞台ありましたか?」。今回この原稿を書くきっかけも、ある芝居の帰りに(ワンダーランドの)北嶋氏から言われたこの言葉がきっかけだ。いつもは、「いやー、これっていうのはないですねぇ」という枕詞を挟んで、2、3記憶に引っかかった芝居の名前をあげるが、その時は違った。
 「この前、座・高円寺でやったシアター・リフレクション、あれはすごかったです。子どものための人形劇だけど、内容は大人向けというか、もうシュールで不条理、カフカを観ているような感じで、なかには怖がってる子どももいたくらいで。最後はタルコフスキーの『惑星ソラリス』を思い出したりして…」
 まさに今年見た舞台ではダントツに刺激的な作品であった。今思い起こせば7月は芝居関係で会う人すべてにシアター・リフレクションを勧めていたようにも思う。このカンパニーが面白いのは昨年観て分かっていたからだ。しかし今回の『箱とジョージさん』は、こちらの予想をさらに裏切るような刺激的な作品だった。今回はこのデンマークの人形劇団シアター・リフレクションの魅力について解き明かしてみたい。

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劇団青年座〈マキノノゾミ三部作〉(「フユヒコ」「赤シャツ」「MOTHER」)

◎連続上演企画にかける劇団の気概と思い入れ
  後藤隆基

青年座〈マキノノゾミ三部作〉公演チラシある演劇人の名前がアチラコチラで目につく年がある。その意味で2008年は、じつにマキノノゾミの一年だった、といっても過言ではないだろう。

年の瀬の常と顧みれば、まず4月に沢田研二の音楽劇シリーズ「ぼんち」(わかぎゑふ作)を演出。8月にはM.O.P.に新作「阿片と拳銃」を書き下ろし、同時に劇団を2011年をもって解散する〈ファイナル・カウントダウン〉を発表した。が、当の本人たちはいたって力の抜けた気構えぬ発言を各誌に寄せており、この劇団をよくあらわしているようにみえた。

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テレビで見る演劇(~9月末)

 9月も注目作が次々と放映されます。「ファウストの悲劇」は、シェイクスピアと同時代のクリストファー・マーロウの戯曲を蜷川幸雄が演出、主役のファウストは野村萬歳が演じました。青年座「フユヒコ」、文学座「麦の穂の揺れる穂先に … “テレビで見る演劇(~9月末)” の続きを読む

 9月も注目作が次々と放映されます。「ファウストの悲劇」は、シェイクスピアと同時代のクリストファー・マーロウの戯曲を蜷川幸雄が演出、主役のファウストは野村萬歳が演じました。青年座「フユヒコ」、文学座「麦の穂の揺れる穂先に」と新劇二劇団の作品も。「麦の穂の揺れる穂先に」は小津安次郎的な父と娘の物語。平田オリザの書き下ろしを、93歳の戌井市郎が演出したことでも話題を呼びました。「青春舞台2010・全国高等学校演劇最優秀校・東京公演」には、ゲストとして劇作家・演出家の江本純子(毛皮族・劇団、江本純子)と大塚ムネト(ギンギラ太陽’S)が招かれ、演劇を語ります。WOWOWでは、NODA・MAP番外公演「表に出ろいっ!」の制作プロセスを追ったドキュメンタリー「中村勘三郎×野田秀樹 芝居の遺伝子」が。NODA・MAPといえば、6月~8月に上演された「ザ・キャラクター」も早速の放映です。
(場合により、番組内容、放送日時などが変更になることがあります。また、地上波デジタル放送の番組表は関東地区のもので、地域により一部番組が異なります)

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劇評セミナー2010(後期)9月開講! 学生3人を無料招待

 小劇場レビューマガジン「ワンダーランド」主催の「劇評を書くセミナー こまばアゴラ劇場コース後期(全6回)」が9月後半から始まります。同劇場で上演する4公演を取り上げて劇評/ダンス評を書いて語り合うほか、平田オリザさん( … “劇評セミナー2010(後期)9月開講! 学生3人を無料招待” の続きを読む

 小劇場レビューマガジン「ワンダーランド」主催の「劇評を書くセミナー こまばアゴラ劇場コース後期(全6回)」が9月後半から始まります。同劇場で上演する4公演を取り上げて劇評/ダンス評を書いて語り合うほか、平田オリザさん(青年団、こまばアゴラ劇場芸術監督)の講演、桜井圭介さん(ダンス批評)徳永京子さん(演劇ジャーナリスト)小澤英実さん(舞台芸術批評)らのトークセッションを予定します。
 今回は学生3人を無料招待します。詳細は次のページをご覧ください。
http://www.wonderlands.jp/info/seminar2010/agora02/

3人で語る「2010年9月はコレがお薦め!」

鳥公園「乳水」公演チラシ

★カトリヒデトシさんのお薦め・KUNIO 07「文化祭」(こまばアゴラ劇場9月3日‐6日)
・ゲキバカ「ワイルドターキー」(東京芸術劇場9月23日‐26日)
トリプル3演劇ワリカンネットワーク 南河内万歳一座「あらし」(すばるホール9月25日・26日)
★鈴木励滋さんのお薦め
劇団山の手事情社「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」(アサヒ・アートスクエア9月2日‐12日)
・「ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010」(王子小劇場・裏9月10日‐20日)
鳥公園「乳水」(日暮里d‐倉庫9月23日‐26日)
★徳永京子さんのお薦め
・さいたまゴールドシアター「聖地」(彩の国さいたま芸術劇場9月14日‐26日)
ナイロン100℃ Side Session「亀の気配」(サンモールスタジオ9月15日-20日)
・M&Oplays+PPPPプロデュース「」(本多劇場9月16日-26日、シアター・ドラマシティ9月29日)

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ほうほう堂×DJs(佐々木敦、大谷能生)

◎《官能》と《多様性》の夜にその《現象》を目撃する
 プルサーマル・フジコ

身長155cmのダンス・デュオ・グループほうほう堂(新鋪美佳+福留麻里)は神出鬼没な妖精、もしくはオリーブ少女的な小動物のようにキュートな動きでどんな空間でも味方につけてしまう。3月はカフェで。4月はジャンボサボテンと。5月は斜面をごろごろ転がり、6月は砂丘で飛び跳ねる。7月は下北沢の「開かずの踏切」横にあるスーパーマーケット・オオゼキのエレベーターで昇降して電車が過ぎると消えてしまった。

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