◎もっと匂いを!
大泉尚子
座・高円寺の入口あたりから会場内にかけて、警官の扮装をした男女が10人以上。彼らは、客入れや会場案内をやっている。手には警棒、全身黒ずくめ。女は、ショートパンツ・網タイツにピンヒール、ジャケットの胸元のボタンを最大限にあけて、豊かな谷間を強調しつつ。これはきっと、異色のブロードウェイミュージカル「ユーリンタウン」の世界へのエロこわい誘導なのね、と思う。
小劇場レビューマガジン
◎もっと匂いを!
大泉尚子
座・高円寺の入口あたりから会場内にかけて、警官の扮装をした男女が10人以上。彼らは、客入れや会場案内をやっている。手には警棒、全身黒ずくめ。女は、ショートパンツ・網タイツにピンヒール、ジャケットの胸元のボタンを最大限にあけて、豊かな谷間を強調しつつ。これはきっと、異色のブロードウェイミュージカル「ユーリンタウン」の世界へのエロこわい誘導なのね、と思う。
◎愛と憎、狂気と正気の <極> に、もの悲しい波長の空間が
阿部未知世
1. 口火
静岡舞台芸術センター(SPAC)の芸術監督、宮城聡が、SPACの役者を使って、唐十郎の作品を上演する!
唐十郎と言えば、アングラ演劇の最高峰。
1960年代末から70年代、「状況劇場」の紅テントで<腰巻お仙>などなどに、強烈な衝撃を受けた体験がある。
宮城聡はかつて、劇団「ク・ナウカ」を率いて斬新な演劇を創り、SPACにおいても、<夜叉が池>などのように、独特の様式美と色彩豊かな、力強い空間を展開している。
その唐十郎と宮城聡が、真正面から出会う。これを知った時、軽い戸惑いと未知なるものへの期待がうまれたことは事実だった。
キャッチコピーには、<能×アングラ×宮城聡>の掛け算。しかも会場は、夜の野外劇場。一体、どんな世界に連れ出されるのか…。胸は高鳴るのだった。
◎その断面は体液の滴るほど切り口鮮やかだった
大泉尚子
チラシには「自傷、引きこもり、親子間のコミュニケーション断絶など、戯曲が描く父母姉弟・四人家族の姿は現代日本の病巣と重なり…」とあるが、ふだんならこういう芝居には絶対行かない。だって、そんなものを「こんなです」と〈サンプル〉として見せられたところで、何の解決策も見出されるわけでもなく、「それで? だから?」と言いたくなる。第一、暗いし重いし、何で金払ってそんなもん見なきゃならないんだ!
◎抒情から喜劇へ 新生サーカス劇場の挑戦
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
見えるかい 亀が歩いてる
時間という名の亀が
少女を惑わすウサギより速く
アキレスの眼にもとまらぬほどに
三〇世紀 東京は森
見てごらん 鉄の木立の上に 一千万のカラスがとまる
◎「友達」を探し求める物語 ガード下に漂う甘いにおい
小畑明日香(学生)
バイクが上手でうなる音から幕開き、ガードレールの隙間を自転車とバイクが走り抜けて歌。♪時は三十世紀トーキョー♪とのことだが歌ってる大女は長いざんばら髪にポシェット下げて要するに舞台は荒廃した未来、である。が、アングライメージの意匠をちりばめつつも「カラス」はにおいがはっきりちがった、字義通りの意味でそのことを書きたい。
第1回 ロンドンで演劇チケット代を考える
今井克佳(東洋学園大教授)
四月からロンドンで暮らしています。勤務先の大学から一年間の「在外研究期間」をいただき、ロンドン大学に客員研究員として所属、中心部から地下鉄で30分ほどの郊外のフラットを借り、一人暮らしをしています。研究の課題として「現代演劇における日英文化交流」という題目をたてているので、本来は、過去の記録データなどを掘り起こしながら考察をまとめていくことが仕事なのですが、やはりシアターゴアーとしての血が騒ぎ、こちらの演劇環境を肌で知ることも大切、と東京にいるときに負けず劣らず、いや時間が自由なことをいいことにそれ以上に芝居通いを続けている毎日です。
“ロンドン演劇日和-シアターゴアー、芝居の都を行く(全7回)” の続きを読む
◎知的刺激は受けたけど、泣かせてほしかったロミオさま
(鼎談)水牛健太郎+杵渕里果+芦沢みどり
▽ジュリエット芝居-どんな上演だったか
芦沢みどり:ワンダーランド鼎談第2弾は、下北沢のザ・スズナリで上演された三条会の『ロミオとジュリエット』。三条会は知的なたくらみと遊び心に満ちた演出と、俳優それぞれに個性があって魅力的であることが定評になっています。さて、今回はどういう『ロミオとジュリエット』だったか。公演チラシには「むかしむかしロミオとジュリエットという人がいました。2人とも恋をしました。2人とも死にました。もしかしたら1人だったのかもしれません」というナゾめいた言葉が置かれています。公演パンフレットの方では、「今回の台本は、ジュリエットが登場している場面だけを抜粋して構成しました」と言っている。原作のうち、ヴェローナの広場や街路での立ち回り(喧嘩)、乳母の長セリフ、マキューシオの長セリフ、修道士ロレンスの長セリフなどがばっさりとカットされています。登場人物は八人。ロミオとジュリエット、あとはキャピュレット、キャピュレット夫人、乳母、パリス、ロレンス修道士、ティボルトですね。キャストは全員ジュリエットを演じるシーンもあります。
◎美しいイメージの中に世界を投げ捨てる滅びのメルヘン
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
キャストがすごっ!松たか子、宮沢りえ、橋爪功、大倉孝二、北村有起哉…と聞いただけで卒倒しそう。そこへもってきてダンス集団コンドルズまで加えてしまって、殿、な、なにをなさるおつもりか???と、クエスチョンマーク3ケ付き好奇心で出かけて行きました。もちろん劇場へ。
◎ねじくれたジャニスをみごとに造形 独自の音楽劇創出の試み
飯塚数人(人形劇研究家)
死への階段を息せき切って急ぎ足で駆けあがってゆくジャニス・ジョプリンの最後の一ヶ月間を描く意欲作。
救いのみえない暗い物語のなかに、きらめくような台詞がちりばめられ、劇中では、いくつものジャニスの曲が生歌生演奏で披露されている。
映像に似せるのは逆効果 面白いんだからちゃんと売れ 縁あって見に行ったら面白かった、ということにとてもイラついている。面白いものを作っているのに、どうしてちゃんと売らないのか、と思う。 中国活劇三部作で、一部・ … “カプセル兵団 「臥龍頂上伝」「幽幻夢想」(同時期上演)” の続きを読む
映像に似せるのは逆効果 面白いんだからちゃんと売れ
縁あって見に行ったら面白かった、ということにとてもイラついている。面白いものを作っているのに、どうしてちゃんと売らないのか、と思う。
中国活劇三部作で、一部・二部を同時上演した後に日を空けて完結編を上演するのだそうだ。全編カンフーもりもりの「ワイヤレスワイヤーアクション」がウリなんだそうだ。アクションスターなんかも起用したそうだ。でもね、ぜんぜん説得力無いんだよ、公演チラシがCGばりばりだったら。二つ折りチラシの中の宣伝文句なんて読まないんだよ、表に役者の写真と物語の筋しかなかったら。だいたいいくら同じ小屋だからって乞局の当日パンフに折り込むなよ、血と暴力と田舎の因習が舞台なんですよ乞局は、それを見に来る人に「これが面白い演劇だ!」ってぶちぬいたカンフーチラシ渡すなよ、小屋主も考えろちょっとは。
自分たちが作ってるものの何が面白いのかわかってないんだべ?