クリティック・ライン・プロジェクト(CLP)が休止

 クオリティの高い舞台批評を月2回、3年半あまり掲載してきたクリティック・ライン・プロジェクト(CLP)が3月末で休止しました。3月30日付の「休止のごあいさつ」は事実を述べるだけで、休止の理由は明示されていません。全文 … “クリティック・ライン・プロジェクト(CLP)が休止” の続きを読む

 クオリティの高い舞台批評を月2回、3年半あまり掲載してきたクリティック・ライン・プロジェクト(CLP)が3月末で休止しました。3月30日付の「休止のごあいさつ」は事実を述べるだけで、休止の理由は明示されていません。全文は以下の通りです。

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シベリア少女鉄道「ここでキスして。」

 みてすぐ、快い刺激が残っているうちにレビューを書き上げるのもいいのですが、じっくり寝かせて展開するのもまたアリでしょう。近畿と首都圏を行き来しながら幅広く芝居やダンスをみている「中西理の大阪日記」が1カ月あまり経って、 … “シベリア少女鉄道「ここでキスして。」” の続きを読む

 みてすぐ、快い刺激が残っているうちにレビューを書き上げるのもいいのですが、じっくり寝かせて展開するのもまたアリでしょう。近畿と首都圏を行き来しながら幅広く芝居やダンスをみている「中西理の大阪日記」が1カ月あまり経って、シベリア少女鉄道「ここでキスして。」公演(東京・紀伊国屋サザンシアター、3月1日-5日)の評をまとめています。
 中西さんはシベリア少女鉄道の特徴についてまず、次のように要約しています。

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横浜ダンス界隈#3

 「街のあちこちにダンスが溢れる」-「横浜ダンス界隈#3」が3月29日夜、こんなキャッチコピーを掲げて、横浜・馬車道周辺の歴史的建造物や店舗、カフェ、街路など7カ所で開かれました。この催しは「これまで番外編を含め3回開催 … “横浜ダンス界隈#3” の続きを読む

 「街のあちこちにダンスが溢れる」-「横浜ダンス界隈#3」が3月29日夜、こんなキャッチコピーを掲げて、横浜・馬車道周辺の歴史的建造物や店舗、カフェ、街路など7カ所で開かれました。この催しは「これまで番外編を含め3回開催し、街とアートとの新しい関係を探るプログラム」(企画書)。今回は9カンパニーが参加しました。
 「Sato Site on the Web Side」は「ぼくは番外編を含め三回見たことになる。どれも実に面白かった。ダンスを見る場所は劇場やスタジオとは限らない、いやそうした場所じゃない方がいいことは多いのでは、という強いく思わされた企画でもあった」と場所を生かした企画を評価しています。

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燐光群+フィリピン国際交流プログラム「フィリピン ベッドタイムストーリーズ2」

 燐光群はこれまでアジアの演劇人と協力していくつかの作品を作ってきました。「トーキョー裁判1999」でフィリピンから俳優ノル・ドミンゴ(PETA)を招聘、「南洋くじら部隊」はドミンゴの他にもインドネシアから7 名、アメリ … “燐光群+フィリピン国際交流プログラム「フィリピン ベッドタイムストーリーズ2」” の続きを読む

 燐光群はこれまでアジアの演劇人と協力していくつかの作品を作ってきました。「トーキョー裁判1999」でフィリピンから俳優ノル・ドミンゴ(PETA)を招聘、「南洋くじら部隊」はドミンゴの他にもインドネシアから7 名、アメリカから1 名の俳優を招いています。「ベッドタイムストーリーズ」第1弾は2004年に開かれ、フィリピンの俳優と共同で上演されました。2回目の今回は、フィリピンの劇作家2人と内田春菊の書き下ろしのオリジナル3作品が取り上げられれ、フィリピンの2作は日本人俳優バージョンとフィリピン俳優バージョンが上演されるという珍しい企画でした(3月23日-27日、東京・笹塚ファクトリー)。

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龍昇企画「こころ」

 龍昇企画と江古田ストアハウス提携公演の漱石プロジェクト第2弾は「こころ」でした(江古田ストアハウス、3月8日-15日)。原作は夏目漱石。脚本は第1弾「行人」と同じく犬井邦益、演出も福井泰司。広く知られた作品をどう舞台に … “龍昇企画「こころ」” の続きを読む

 龍昇企画と江古田ストアハウス提携公演の漱石プロジェクト第2弾は「こころ」でした(江古田ストアハウス、3月8日-15日)。原作は夏目漱石。脚本は第1弾「行人」と同じく犬井邦益、演出も福井泰司。広く知られた作品をどう舞台に載せるか、とても興味がありました。
 実際の舞台はこんな感じのようです。

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ポツドール「夢の城」(下)

 舞台の「枠組み」に関して、もう少しいくつかのサイトを紹介してみます。  「小劇場系」は、冒頭の場面が「演劇という制度がそもそも『窃視』もしくは『視姦』行為であることを観客に、かなり露悪的な形で、見せ付ける構造となってお … “ポツドール「夢の城」(下)” の続きを読む

 舞台の「枠組み」に関して、もう少しいくつかのサイトを紹介してみます。
 「小劇場系」は、冒頭の場面が「演劇という制度がそもそも『窃視』もしくは『視姦』行為であることを観客に、かなり露悪的な形で、見せ付ける構造となっており、そうした窃視が演劇表象を支え、さらには『表象』そのものを追認しているのだと糾弾しているようだった。我々の視線(gaze)が問題化されているのだ」と指摘します。

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ポツドール「夢の城」(上)

ポツドールは今回もまた、刺激的な舞台を提供したようです。第14回公演「夢の城」(新宿シアタートップス、3月2日-12日)は「拷問のようだった」という人もいて、賛否と言うよりは、ぼくらが抱えている性的規範が最初の分水嶺を形作るのかもしれません。それでも毎日毎夜現れては消えていく芝居の流れに幾重かの波紋を広げたようにみえます。2回に分けてその痕跡を拾ってみようと思います。

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横濱リーディングコレクション#0 福田恆存を読む!

 劇作家、福田恆存の3作品を3人の演出家によってそれぞれ3回ずつ上演する「横濱リーディングコレクション#0 福田恆存を読む!」が2月中旬横浜で開かれました(横浜相鉄劇場、2月8日-12日)。「横濱リーディングコレクション … “横濱リーディングコレクション#0 福田恆存を読む!” の続きを読む

 劇作家、福田恆存の3作品を3人の演出家によってそれぞれ3回ずつ上演する「横濱リーディングコレクション#0 福田恆存を読む!」が2月中旬横浜で開かれました(横浜相鉄劇場、2月8日-12日)。「横濱リーディングコレクション実行委員会」主催の初回リーディングで、「#0」と銘打っているのでシリーズ化する意図があるのでしょうか。
 取り上げたのは「わが母とはたれぞ」演出:椎名泉水(studio salt)、「堅壘奪取」演出:扇田 拓也(ヒンドゥー五千回)、「龍を撫でた男」演出:矢野靖人(shelf)の組み合わせでした。

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燐光群「スタッフ・ハプンズ」

 燐光群「スタッフ・ハプンズ」公演は、イラク戦争を主導した米国を始め、英仏などの首脳らがどのような遣り取りを交わして開戦に至ったか、それぞれの演説テキストなどによりながら展開したポリティカル・フィクションだそうです。飛行 … “燐光群「スタッフ・ハプンズ」” の続きを読む

 燐光群「スタッフ・ハプンズ」公演は、イラク戦争を主導した米国を始め、英仏などの首脳らがどのような遣り取りを交わして開戦に至ったか、それぞれの演説テキストなどによりながら展開したポリティカル・フィクションだそうです。飛行機事故のボイスレコーダーから、クルーの息詰まる遣り取りを描いた「CRV」公演に続くドキュメンタリー演劇でしょうか。
 ネット上の書き込みを見る限り、評価がかなり分かれています。ぼくは未見ですが、いくつかのサイトをたどりながら問題の所在を考えてみたいと思います。

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グリング「海賊」

グリングの舞台は、私たちがぶつかる人間関係のもつれやすれ違い、その切ない瞬間をさりげなく、しかし情感を込めて描きます。そのさりげなささえもほとんど感じさせない演技と演出の熟成も、作品世界に引き込む磁力になっているのでしょう。年末に開かれた第12回公演「海賊」は、ネット上のほとんどのwebサイトが共感を込めて言及した数少ないケースだと思われます。年末回顧企画「振り返る 私の2005」でも何人かがこの舞台を「記憶に残る3本」に挙げていました。まだ取り上げる公演が今年に追いつかなくて申し訳ありませんが、ご容赦願って年末のグリング公演を追いかけます。グリングはこれを最後に1年間活動を休み、次回公演は2006年12月の予定です。見逃した人は残念。残念組のぼくも、年末を楽しみに待っている1人です。

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