劇団印象『枕闇』

◎ことば遊びのしすぎでキャラクターが窒息 本当は、「夢」を軸にした話だったようなのだ。 「人は、自分の願望を眠りとともに”夢”に見る、 (中略)枕闇はそうした”夢”の、ちょっと不思議なお話である。」(パンフレットより演出 … “劇団印象『枕闇』” の続きを読む

◎ことば遊びのしすぎでキャラクターが窒息

本当は、「夢」を軸にした話だったようなのだ。

「人は、自分の願望を眠りとともに”夢”に見る、
(中略)枕闇はそうした”夢”の、ちょっと不思議なお話である。」(パンフレットより演出の言葉)

”夢”の芝居だと思って見始めて、最後まで首をかしげながら見ていた。
ただ、目に色鮮やかで美しい舞台だと思ったことも今のうちに併記しておこう。
劇団印象の「枕闇」は、はたして何を核にした芝居なのか。 (以下文中敬称略)

“劇団印象『枕闇』” の続きを読む

Port B「サンシャイン62」

◎ひたすら歩く、ただとにかく、前へ、前へと
米山淳一

「サンシャイン62」公演チラシPort Bのツアー・パフォーマンス『サンシャイン62』を観た。といってもこの公演、東池袋に昨年新たに出来た劇場「あうるすぽっと」を集合受付場所とはするものの、観客は劇場の客席に座って舞台を観ていればいいのではなく、むしろ大部分の時間を劇場の外、池袋の街という舞台をひたすら自らの足で歩かなくてはならない。だから観たというよりは、参加したという方がむしろ実情に即しているだろう。

“Port B「サンシャイン62」” の続きを読む

A.C.O.A「人間椅子」

◎観客の半分は女なのだぁーっ!
芦沢みどり(戯曲翻訳家)

アトリエセンティオは東武東上線・北池袋駅から歩いて五分、路地の突き当たりの線路際にある。これが比ゆでなくマジで線路のすぐ横なのね。かつて舞踏グループが稽古場にしていた小屋だと聞けばナルホドと思うけど。開場までの数十分、ひっきりなしに通過する夕方のラッシュの車両を、暮れなずむ路地裏で眺めているうちに不安になった・・・こんな場所でまともに芝居が観られるのかなぁ。

“A.C.O.A「人間椅子」” の続きを読む

NODA MAP「THE BEE」(日本語バージョン)

◎かさぶたのない傷口
亀田志織(学生)

「The Bee」公演チラシ鋭利な刃物で切りつけられた感覚がした。
傷が癒えないまま、傷口はどんどんとえぐられていく。 そのまま私は呆然と、立ちすくむ。
舞台に広がった、上から垂れ下がる一枚の茶色い紙。その上で繰り広げられる人間模様。

“NODA MAP「THE BEE」(日本語バージョン)” の続きを読む

サンプル「家族の肖像」(クロスレビュー)

サンプル「家族の肖像」公演チラシサンプルは松井周(主宰)の作・演出でさまざまな家族・人間関係を「いま」に結びつけ、実験的な手法で舞台化してきました。今回のクロスレビューは、サンプル第3回公演「家族の肖像」です。会場はアトリエヘリコプター。旧工場2階四方に客席を高く設営しての上演でした。
いつものように名前と肩書きの後、5段階の評価と400字コメント(ミニレビュー)を加えます。(掲載は到着順)

“サンプル「家族の肖像」(クロスレビュー)” の続きを読む

龍昇企画「夫婦善哉」

◎アゴラにて 旨味すくなき 作之助 なんのかの言っても 生きたもん勝ち 三ヶ月経ってしまった。 五月の舞台である。五月に一回見て、書いて、不評で、「ちょっと練り直します」で三ヶ月。 かくもおそろしや平田オリザ。私は、彼が … “龍昇企画「夫婦善哉」” の続きを読む

◎アゴラにて 旨味すくなき 作之助 なんのかの言っても 生きたもん勝ち

三ヶ月経ってしまった。
五月の舞台である。五月に一回見て、書いて、不評で、「ちょっと練り直します」で三ヶ月。
かくもおそろしや平田オリザ。私は、彼が龍昇企画のために書き下ろしたという触れ込みの前に委縮していた、なんつて。日本の演劇史を「オリザ以前」「オリザ以後」にわけた張本人の脚本+前回公演「モグラ町」でスピーディーにオヤジっぷりを描いた龍昇企画、ひどかった、わけではもちろん、ないのであるが。

平田オリザ本人がチラシの裏に書いた宣伝文が何日たっても劇の印象と合致しなかった。

織田作之助の原作『夫婦善哉(めおとぜんざい)』に登場する、大阪「自由軒」のカレーライスのことを書いていた。自分もそのカレーライスが大好きだということ、そしてそのカレーライスのおいしさを小説中で語った織田さんに捧げる戯曲として、男女が「ひたすら食べ続ける。それだけの話である」と言っていたのである。今回の公演のことを。

え、そんなにうまそうなもん食ってたっけ。

“龍昇企画「夫婦善哉」” の続きを読む

ポツドール「顔よ」

◎芸能人だから歯が命か
杵渕里果

「顔よ」公演チラシ三浦大輔率いる劇団、ポツドールの新作『顔よ』は、タイトルそのまま、友人に向かって、お前の顔はよいとか悪いとか、お世辞なのに本気にしたか、とか論評しあう、いわば、ミもフタもない芝居である。

“ポツドール「顔よ」” の続きを読む

三条会「綾の鼓」

◎団塊ジュニア世代の「ニヤリズム演劇」  鳩羽風子(新聞記者、演劇評論)  三島由紀夫が割腹自決を遂げたのが1970年。その2年後に、今回取り上げる『綾の鼓』を演出した関美能留は生まれた。私も同い年だ。「三島」が既に歴史 … “三条会「綾の鼓」” の続きを読む

◎団塊ジュニア世代の「ニヤリズム演劇」
 鳩羽風子(新聞記者、演劇評論)

 三島由紀夫が割腹自決を遂げたのが1970年。その2年後に、今回取り上げる『綾の鼓』を演出した関美能留は生まれた。私も同い年だ。「三島」が既に歴史となっていた同世代が、彼の作品をどう受け止め、今の時代にどう映すのか興味があった。

“三条会「綾の鼓」” の続きを読む

岡崎芸術座「三月の5日間」

◎見る人と見られる人と、大衆よりもっと大きなもの お江戸上野広小路邸の、全席桟敷の寄席舞台に、開場と同時に入ったのに、かぶりつき一列にすでに先客がいる。目の前の舞台をテーブル代わりにして、お茶菓子やつけものを並べている。 … “岡崎芸術座「三月の5日間」” の続きを読む

◎見る人と見られる人と、大衆よりもっと大きなもの

お江戸上野広小路邸の、全席桟敷の寄席舞台に、開場と同時に入ったのに、かぶりつき一列にすでに先客がいる。目の前の舞台をテーブル代わりにして、お茶菓子やつけものを並べている。
すぐ後ろに座ると「食べる?」と声がかかった。かぶき揚げと栗のお菓子を食べながら、最前列の「観客」たちの動向を眺める。
「社長! 社長!」と声を上げながらビールを呑むおばちゃんたちと、その隣のフィリピンパブのおねえちゃんとは有り体に言うといかにも下町、という感じで、電車の中でもケータイでしゃべりそうな雰囲気で、現代っ子世代から言うとかなりうっとうしい。目障りだけどしらけた視線を送る以外に対抗しようがないタイプの人達。
が、私を含む二列目の客はにやにやしながらその様を見ている。
すでに芝居が始まっていることを皆分かっているのだ。だって「社長」「部長」と呼ばれている上手客席の二人は、顔まで白黒に塗り分けたパンダの仮装をしてる。いくら寄席を知らなくても、でかいパンダの頭かぶって見に来る客はいないだろう。

で、非日常的な仮装で観客として客席に座っている「社長」と「部長」は、「見る側」なのか「見られる側」なのか。

“岡崎芸術座「三月の5日間」” の続きを読む

クロスレビューはサンプル「家族の肖像」

第2期ワンダーランドの最初のクロスレビューは、サンプル「家族の肖像」を取り上げます。既に公演が始まり、8月31日(日)まで五反田のアトリエヘリコプターで開かれています。
応募要領は、これまでと同じです。☆印による5段階評価。レビュー本文(コメント)400字。名前と肩書き。それに郵便番号と住所を書き添えてください。送り先はwonderlands@northisland.jp 。締め切りは、9月2日(火)となります。一般の方の応募、大歓迎です。採用分には薄謝を進呈します。

これまでのクロスレビューは次の通りです。
http://www.wonderlands.jp/archives/12398/(ポツドール)
http://www.wonderlands.jp/archives/12406/(阿佐ヶ谷スパーダース)

“クロスレビューはサンプル「家族の肖像」” の続きを読む