もうちょっと。もうちょっとで、もっともっといい芝居になったのに。惜しいと思った。「認知症をテーマに、老いることの意味と、心のなかの迷路を描いて……」というキャッチコピーも、時折り新聞の社会面を賑わすニュースほどにしか心を惹かず、損したかも知れない。これは、とくに認知症を病む誰かの話でなく、敗戦や原爆はおろか、きのう何食べたっけ、あの人の名、なんだっけ、何でもかんでも忘れて毎日を過ごしている今の私たち自身の話――になるはず――だったから、である。
演劇人集団☆河童塾「かっぱ版・かぜの又三郎」
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