震災で考えることできること

 北嶋孝(ワンダーランド代表)

 東日本大震災が3月11日に起きてから1週間あまりが経ちました。死者行方不明が2万人に近づいています。それでもまだ被災、被害の全貌が見えていません。東京電力の福島第一原発も依然として危機レベルにあります。
 小劇場関係者にももちろん影響が出ています。その一端でも伝えたいと願ってワンダーランドは3月13日から小劇場を中心とした「演劇震災関連情報」ページを立ち上げ、安否情報を含む関係者の状況を刻々掲載してきました。

 首都圏も無縁ではありません。各劇場劇団の公演中止も相次いでいます。
 被災地からやって来た住民を各地が受け入れ始め、避難先として公共施設が使われています。この先、さらに大勢の人たちがやって来るとしたら、劇場も否応なくその事態に直面します。劇場の社会的機能と同時に、舞台芸術活動の役割や社会との関わりが問われるでしょう。

 劇団も例外ではありません。現在公演を実施しようと決めた劇団は観客の予約キャンセルや来客確保に苦戦しています。上演中止を決断した劇団は、払い戻しが控えています。すでに劇場費などかなりの経費がかかっている上に払い戻しの出費がかさむと、多くの劇団は打撃を受け、活動が危ぶまれる事態に陥るでしょう。

 そういう苦しいなかで、払い戻しはきちんと実施するほか、被災者への寄付を発表したケースもあります。3月16日から開かれている「カスケード~やがて時がくれば~」公演(3月16日-27日、下北沢駅前劇場)の場合、公演主体の鈍牛倶楽部・コムレイド・出演者一同が共同で声明を発表し、払い戻し情報を明らかにすると同時に、公演収益のうちチケット代から300円を義援金として寄付するというのです。

 こうした動きをみて、劇場、劇団のほか、観客のできることは何かを考えざるを得ませんでした。払い戻しを受ける受けないにかかわらず、劇団活動に支援のメッセージを送ることはできるでしょう。電車の運行が確保されていたら、しっかり公演をみて、思いと評価を率直に伝える選択肢もあるでしょう。チケット代の払い戻しを受けずに、劇団の今後の活動に回すよう支援する道もあります。観客の自由で率直な判断がこれから求められるはずです。

 じつはこの一両日、苦境に陥る劇団を支援しようという建設的な意見を多くの方から聞きました。その動きが具体化したら、太いうねりになることを願ってワンダーランドはすかさず伝えたいと思います。また関係団体が募金、支援を続々具体化しています。これがらさらに大きな流れになってほしいと思います。

 震災以前と以後では、舞台芸術の何かが違ってくるかもしれません。いや、意識するかどうかにかかわらず、きっと何かが違ってくるはずです。劇場も劇団も従来の枠組みをどう更新するのか。俳優もスタッフもそして観客も、この未曾有の体験をどのように受け止めるか。ワンダーランドは注意深くこれからの推移を追いたいと思います。

 このサイトをご覧になっている方はできたらコメントを書き込んでください。ツイッターなどのツールで意見表明していただくのも歓迎です。多様な輿論の起きることが、今回の厄災を辛い痛みとして受け止めつつ、新しい一歩に結ぶ大事な通路になると思うからです。
(2011年3月19日)


「震災で考えることできること」への1件のフィードバック

  1. 4月3日に大阪のシアトリカル応典院で舞台を予定している「からだゼロ大阪」の広報係です。
    こんなときにどう広報したらいいんだろう、と思います。
    でも生きている私たちは迷わず生きる、やりたいことをしっかりやる、そう思って広報活動をします。

    To do , or Not to do:
    That is the question!!
    からだゼロ・大阪 公開レッスン

    とき: 2011年4月3日(日)
        13時開場 13時30分開演
    ところ:   シアトリカル応典院
    地下鉄谷町線「谷町9丁目」
    堺筋線「日本橋」より徒歩7分
    内容: うた 朗読 ドラマ
    参加費:  500円
    出演: からだゼロ・大阪
    連絡先:karadazero_osaka@yahoo.co.jp
    06-6771-7641
    090-1229-7133

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