もしもこの“コント・コラージュ”と自称するふんわか・へんてこ芝居が一つのスタイルとして完成したとしたら、日本の演劇はまた少し豊かになる、かも知れない。が、その前途は相当キビシソーという感じがした。飯田ゆかり作・演出の「これからこいつと×××」である。アリス インタビューによれば日本劇作家協会の戯曲セミナー、別役実のクラスを受講した人とか。前回公演のとき、その別役先生に「志の高さを感じる」と励まされた、ともあった。聞くだけで嬉しく、心温まる。が、書くだけでなく実際に演出し役者を集め情宣・制作し経済的な責任まで持つ――こんなにもまともに受けてたってくれる生徒がいるなんて! 長いことコント書くことを奨めてきた先生自身、もしやとまどっていられはしないか?と邪推した。 飯田ゆかりとしては必ずいつか、僕のできなかったことをし遂げたと先生を驚嘆させねばならぬ。
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