黒川麻衣の作・演出で「オッホ」の「タイポグラフィの異常な愛情」公演が東京・新宿のTHEATER/TOPSで開かれました(1月2日-10日)。今回はフォントの種類が主人公で、明朝家とゴシック家の争いを中心とした失踪ミステリーだそうです。
「30’s SubCulture Blog」は「軽快な演出や劇団員たちのキャラクターの活かし方、軽妙な脚本といわゆるオッホ印というべき作品で楽しめた」としながらも、「ミステリーとしては凡庸な気もしたし、もう一転二転してもいいんではないかな」と印象を述べています。
「No hay banda」はオッホ公演が今回初めてだそうです。そのせいか指摘は遠慮がありません。「すべての登場人物に書体の名前が付いていて、町や建物の名もそれにちなむものなのだが、それによってプロットになにかの仕掛けがあるかというとなにもない」「人物の内面の描写が極めて弱いから舞台に深みが出てこない」「笑えるタネはたくさんあった。しかし、あまり笑えない。最適のタイミングをわざと外し、それによって一段上の笑いを狙ったのかもしれない場面がいくつかあったものの、外し方の練度が低く、概ね失敗」などと手厳しい内容です。
[上演記録]
オッホ2005NEW YEAR EDITION
「タイポグラフィの異常な愛情」
新宿THEATER/TOPS(1月2日-10日)
作・演出:黒川麻衣
出演:人見英伸、佐藤需、牧野直英、上野雅史、杉山将己、峯崎伊万里、菊地春美、佐藤志織、岡ユミコ、細川洋平、村上寿子、小畑智子、市村美恵(水性音楽)、佐藤治彦、今林久弥(双数姉妹)