CLP(クリティック・ライン・プロジェクト)サイトで、皆川知子さんが風琴工房の「機械と音楽」公演(ザ・スズナリ、2005年3月9日-16日)を取り上げています。
皆川さんによると、物語は「1917年、ロシアの10月革命が成功した夜にはじまる。構成主義の建築家イヴァン・レオニドフを主人公として、ロシア・アヴァンギャルドの芸術家たちがモダニズムを求めて戦い、敗れるまでを描いた群像劇」です。
「レオニドフを演じる役者はまた、革命詩人マヤコフスキーの役も兼ね」「2人の芸術家を一人の役者の上に重ねあわせることで、一見相容れない機械と言葉が、同じ美――つまり人間の幸福を求めて、ともに血を流しているのだと語りかける」と指摘。「芸術における革命のために戦い、苦悩し、絶望した芸術家たちに深い共感を寄せながらも、人間に幸福をもたらすべき真の革命の困難を、冷厳な現実として描き出し」(中略)「観終わった後、私はしばらくことばを失った」と述べています。
[上演記録]
風琴工房code19「機械と音楽」(ザ・スズナリ、2005年3月9日-16日)
脚本・演出:詩森ろば
出演:倉品淳子(山の手事情社) 久保田芳之(reset-N) 鈴木歩己(グリング) 小高仁(第三エロチカ)好宮温太郎(タテヨコ企画)平山寛人(机上風景) 、広田豹、松岡洋子、椎葉貴子、山ノ井史、宮嶋美子、笹野鈴々音
音楽:寺田宏
舞台美術:長田佳代子
照明:関口裕二
音響:青木タクヘイ