双数姉妹「ラバトリアル lavatorial」公演が東京・新宿のTHEATER/TOPSで開かれました(4月1日-10日)。
「しのぶの演劇レビュー」は「久しぶりに拝見したのですが、ストーリーも演出もとても面白かった」と述べています。どんなお話なのでしょうか-。「Badlands ?映画と芝居と音楽と?」は次のように紹介します。
昔から公演日ぎりぎりまで本を書き上げることができない脚本家だったノムラには、かつて小さな劇団の座付作家だった時代に、台本の内容をめぐり劇団の女優マサメ(帯金ゆかり)を追い詰めてしまった苦い思い出があった。一方、掃除のおばさんにも、やはり脚本家だった恋人を失った過去があった。舞台は、個室に閉じこもることになったおばさんとノムラのやりとりから、ふたりの昔話が再現され、やがてそれが現在の物語とシンクロしていく。
「某日観劇録」は「脚本家の苦労という点では時に細かすぎるほど丁寧に描いているのですが、芝居全体については「それで?」というレベルに留まってしまったという印象です。あちこちに客演するほど実力十分な役者のそろっている劇団ですが、今回は主人公である脚本家(今林久弥)以外の登場人物の印象があまり残りません」と書いています。
「デジログからあなろぐ」は次のように指摘しています。
内面世界と向き合う場所としてのトイレが、スクリーンに内的記憶を排泄する場所として書かれている。
トイレの性質を逆手に取った事で、そこに1つのメッセージが付加されてしまったといえる・・・同じ話を「トイレ」というキーワード無く書くことは容易ではあるが、きっと作家性を巡る物語にしかならなかっただろう。
トイレのトイレ性とでも言うべき人間が共通して持つ感覚を、作家というか1人の人間に投影させることで、1つ内面に入った物語に仕上がったという気がする」と
「a piece of cake !」は「彼らの芝居にはどこか、大学の演劇サークルの青臭く、懐かしい香りがする。いや、これは決して悪口ではない」。また「Badlands ?映画と芝居と音楽と?」は役者らを次の通り褒めています。
[上演記録]
双数姉妹「ラバトリアル lavatorial」
THEATER/TOPS提携公演
2005年4月1日〈金〉~4月10日〈日〉
脚本・演出:小池竹見
出演:佐藤拓之 今林久弥 野口かおる 井上貴子 五味祐司 小林至 吉富光宏 中村靖 阿部宗孝 大倉マヤ 近藤英輝 吉田麻起子
帯金ゆかり(北京蝶々)