ドロップD 「これからこいつと×××」

 昨年「劇団相殺」主宰者の1人として新宿タイニイアリスで公演を開いた飯田ゆかりさんが、連休中の5月3日-4日、同じアリスで単独ユニット「ドロップD」で、連作コント「これからこいつと×××」公演を開きました。この間何度か寄 … “ドロップD 「これからこいつと×××」” の続きを読む

 昨年「劇団相殺」主宰者の1人として新宿タイニイアリスで公演を開いた飯田ゆかりさんが、連休中の5月3日-4日、同じアリスで単独ユニット「ドロップD」で、連作コント「これからこいつと×××」公演を開きました。この間何度か寄稿していただいている小畑明日香さんからレビューが届きました。先に西村博子さんがアップしたレビューと併せてご一読ください。


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 テレビでも芝居でもブラックユーモア全盛の時に、飯田ゆかりさんのオムニバス・コントを観ると心が安らぐ。驚かない、という意味とは少し違うが、安らぐというのがコントにとって褒め言葉かどうかは自信が無い。

二つの大きな話が卵でリンクしている、というのが全体の構成だろうか。どちらも卵が登場する、という以外は特に話に共通点は無い。一度、お互いの登場人物が少し会話するぐらいで終わっている。
誰も危険な目に遭わないし、不幸な結末を迎えることもない。それでも、笑えるんだなと思う。
ちゃんとお話したことは殆ど無いが、飯田ゆかりさんという人は根っから優しい人なのだろう。役者の熱意や拙さも含めて、演出家の人柄が滲み出ているように感じられた。

せっかくシチュエーションがぶっ飛んでいるのだし、もっと登場人物を追い詰めてほしかった。卵から恐竜が孵ってしまい慌てて箱の蓋を閉めて閉じ込める、というところで暗転してしまうのは惜しい。作中の人物の境遇に関わらず、役者は苦しめどころでしょう。やっぱり。
誰の揚げ足も取らずに観客を笑わせるのは難しい。ドロップDの名でなくても、ぜひまた公演を打ってほしいと思う。
(小畑明日香 2005.5.08)

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